| 人口 | 30,893 人 |
|---|---|
| 面積 | 322.51 km² |
| 人口密度 | 95.8 人/km² |
岩手県南部の太平洋沿岸に位置する大船渡市(おおふなとし)は、三陸海岸南部(陸前海岸)を代表する港湾都市であり、岩手県内最大級の臨海工業・水産都市です。市域は典型的なリアス海岸によって形成され、複雑に入り組んだ湾と急峻な山地が連続する独特の地形を有しています。市の沖合は三陸漁場と呼ばれる世界有数の好漁場に面し、古くから漁業と港湾を基盤に発展してきました。
1952年(昭和27年)に市制を施行した大船渡市は、大船渡港を中心に水産業、セメント産業、港湾物流が集積する岩手県沿岸部の中核都市としての役割を担っています。2011年の東日本大震災では甚大な被害を受けましたが、復興事業と防災対策を進めながら、港湾都市としての機能回復と持続可能な地域づくりに取り組んでいます。
歴史
大船渡市の地域は、古代より三陸沿岸の海上交通と漁業の拠点として人々の暮らしが営まれてきました。江戸時代には仙台藩の支配下に置かれ、大船渡港の前身となる湊は、物資輸送と漁業活動の拠点として栄えました。天然の良港である大船渡湾は、近代以降も高く評価され、港湾整備が段階的に進められていきます。
1952年に大船渡町、盛町、赤崎村、猪川村、立根村、日頃市村、末崎村が合併して大船渡市が誕生し、2001年には三陸町を編入して現在の市域となりました。明治三陸地震、昭和三陸地震、1960年チリ地震津波、そして2011年東日本大震災など、幾度も津波被害を受けてきた歴史を持つ地域であり、その経験は防災・減災意識として現在のまちづくりにも深く反映されています。
文化・風習
大船渡市では、海と山に囲まれた自然環境を背景に、沿岸地域ならではの文化や信仰、祭礼が受け継がれてきました。なかでも三陸町吉浜地区に伝わる吉浜のスネカは、国の重要無形民俗文化財に指定されており、来訪神信仰を今に伝える貴重な行事です。
また、市内各地では漁業に関わる年中行事や神社祭礼が行われ、地域ごとの結びつきが大切にされています。市立博物館をはじめとする文化施設では、三陸の自然史や津波災害の記録、地域文化に関する展示が行われ、次世代への継承にも力が注がれています。
特産品
-
水産物(サンマ・ホタテ・ワカメ):
大船渡沖は三陸漁場に属し、サンマ、ホタテ、ワカメなどの水産物が水揚げされる。特にホタテ養殖とワカメ養殖は市内各湾で盛んに行われ、品質の高さで評価されている。
大船渡魚市場 -
水産加工品:
水揚げされた魚介類を原料とした干物、冷凍加工品、海藻加工品が市内で製造されている。地元消費だけでなく、県内外への出荷も行われている。
大船渡市の水産加工業 - セメント関連産業: 市内には石灰石鉱山が分布し、太平洋セメント大船渡工場が稼働している。臨海立地を生かした重化学工業として地域経済を支えている。
- 農産物: 山間部を中心に米や野菜の生産が行われ、主に市内消費向けとして流通している。規模は大きくないが、地域の食文化を支える重要な役割を担う。
移住・暮らし情報
- 生活利便性:盛町や大船渡町を中心に、スーパー、医療機関、金融機関、市役所などの生活機能が集約されている。
- 子育て環境:市内に小中学校、高等学校が配置され、自然体験や地域学習を重視した教育環境が整っている。
- 医療:市内の医療機関に加え、沿岸部の基幹病院との連携体制が構築されている。大船渡市公式サイトを参照。
- 住宅事情:沿岸部と内陸部で住宅環境が異なり、防災面を考慮した高台居住が進められている。
- 暮らしの特徴:海と山に近い環境で、漁業・港湾都市ならではの生活文化が根付いている。
気候・生活環境
- 太平洋側気候に属し、比較的温暖で降雪量は少ない。
- 夏は冷涼で、猛暑日が少ない。
- 冬は沿岸部でも氷点下になることがあるが、内陸部ほどの積雪は少ない。
- 海洋の影響を受けた気候が、暮らしや産業に影響を与えている。
地域ごとの特徴(エリア別)
- 盛町:市役所や公共施設が集まる行政の中心地。盛駅が所在する。
- 大船渡町:商業・港湾機能が集積する市の玄関口。大船渡駅周辺に市街地が形成されている。
- 赤崎町:漁業集落が広がる地域で、沿岸漁業が盛ん。
- 三陸町:越喜来、綾里、吉浜などの地区を含み、養殖漁業と自然景観が特徴。
