| 人口 | 9,770 人 |
|---|---|
| 面積 | 200.42 km² |
| 人口密度 | 48.7 人/km² |
岩手県の沿岸部に位置する大槌町(おおつちちょう)は、岩手県上閉伊郡に属する町で、東側は太平洋(三陸海岸)に面し、西側は北上山地の山間部へと広がっています。町域は海岸部から内陸に向かって細長く形成されており、大槌川・小鎚川という2本の河川が山地から流れ下り、大槌湾へ注いでいます。こうした地形により、海・川・山が近接した三陸沿岸特有の自然環境が町の景観と暮らしを形づくっています。
大槌町は三陸地方の一角を占め、三陸ジオパークの構成地域にも含まれています。沿岸部では漁業を中心とした海とともに生きる文化が発展し、内陸部では林業や農業といった山の資源を生かした暮らしが営まれてきました。東日本大震災では甚大な被害を受けましたが、現在は防災・減災を重視した町づくりとともに、自然・文化・人のつながりを大切にする地域として再生と歩みを続けています。
歴史
大槌町の歴史は古く、町内には縄文時代の遺跡が数多く確認されており、早くから人々がこの地で生活を営んできたことが分かっています。中世から近世にかけては、沿岸交通と内陸を結ぶ要地として発展し、戦国時代には大槌氏が当地を支配しました。江戸時代には盛岡藩の直轄地となり、大槌代官所が置かれ、現在の山田町や釜石市の一部を含む広い地域の行政拠点として機能しました。特に鮭をはじめとする海産物の交易で栄え、港町としての性格を強めていきました。
近代以降は漁業と水産加工業を基盤に町が形成され、1938年には鉄道が開通し、地域の交通環境も整備されました。2011年の東日本大震災では、津波により町の中心部が壊滅的被害を受け、多くの尊い命が失われました。震災後は復興事業が進められ、防潮堤整備や高台移転、防災教育の充実などを通じて、安全で持続可能な町を目指した再建が続けられています。
文化・風習
大槌町の文化は、三陸沿岸の海と深く結びついた暮らしの中で育まれてきました。漁業を基盤とする生活文化に加え、祭りや郷土芸能が地域ごとに受け継がれています。代表的な郷土芸能としては「虎舞(とらまい)」があり、町内各地で伝承され、祭礼や行事の際に披露されます。力強い舞と太鼓の音は、地域の結束と祈りを象徴する存在です。
また、町内にある蓬莱島は、NHK人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルといわれており、大槌町の象徴的な存在として知られています。町の防災行政無線で流れる昼のチャイムに同作品のテーマ曲が使われていることも、大槌町ならではの文化的特徴です。震災以降は、記憶と教訓を次世代へ伝える活動も文化の一部として位置づけられ、語り部活動や震災伝承施設を通じた学びが続けられています。
特産品
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サケ・マス:
大槌川・小鎚川は古くからサケの遡上で知られ、町の水産文化を支えてきました。沿岸漁業と河川資源が結びついたサケ・マス漁は、地域の重要な生業の一つです。
大槌川(Googleマップ) -
ワカメ・昆布:
三陸海岸の豊かな海で育つ海藻類は、品質の高さで評価されています。肉厚で風味の良いワカメや昆布は、家庭用から業務用まで幅広く利用されています。
大槌湾(Googleマップ) -
水産加工品:
サケ加工品、干物、塩蔵品など、水産資源を生かした加工品が町内で生産されています。地元消費だけでなく、贈答品としても親しまれています。
新おおつち漁業協同組合 -
農産物:
内陸部では小規模ながら稲作や野菜栽培が行われています。地元向けの農産物は直売所などを通じて流通しています。
大槌町内農地(Googleマップ)
移住・暮らし情報
- 生活利便性:町の中心部には商業施設、金融機関、医療機関、行政施設が集約されており、日常生活に必要な機能がコンパクトにまとまっています。
- 子育て環境:義務教育学校や高校が整備され、地域に根ざした教育が行われています。自然体験や防災教育も特徴です。
- 医療:岩手県立大槌病院を中心に、基礎的な医療体制が確保されています。
- 住宅事情:高台移転を含む復興住宅や一般住宅地が整備され、安全性を重視した住環境が形成されています。
- 暮らしの特徴:海と山が近く、自然と共生する生活が可能である一方、防災意識が暮らしの中に根付いています。
気候・生活環境
- 太平洋側気候で、夏は冷涼、冬は比較的降雪が少ない。
- 海霧が発生しやすく、沿岸特有の気象条件が見られる。
- 山間部と沿岸部で気候差がある。
- 豊かな自然環境が日常生活と密接に関わっている。
地域ごとの特徴(エリア別)
- 町方地区:行政・商業の中心地。大槌駅周辺に市街地が形成されている。
- 吉里吉里地区:海水浴場や漁港を擁する沿岸集落。吉里吉里海岸がある。
- 赤浜地区:漁業と研究施設が立地する地区。国際沿岸海洋研究センターが所在。
- 金沢地区:内陸側に位置する山間集落で、自然環境が色濃く残る。
アクセス
- 鉄道: 三陸鉄道リアス線:大槌駅 − 吉里吉里駅 − 浪板海岸駅
- 道路: 国道45号、三陸沿岸道路(大槌IC)
- バス:岩手県交通および町民バスが町内外を結んでいる。
