人口 | 4,372 人 |
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面積 | 568.25 km² |
人口密度 | 7.69 人/km² |
北海道南西部、檜山振興局北部に位置する今金町(いまかねちょう)。海には面していない内陸の町でありながら、山々や清流、湖に囲まれた自然環境に恵まれています。町の全域が後志利別川の流域で、農業や林業を中心とした産業が発展してきました。特に「今金男しゃく」と呼ばれるジャガイモは全国的に高い評価を受けるブランド品です。1893年(明治26年)、今村藤次郎と金森石郎がこの地に入植したことから町名が誕生し、1947年(昭和22年)に町制を施行して現在の姿となりました。歴史的には金の採掘やキリスト教徒の入植などもあり、多彩な背景を持っています。特別豪雪地帯に指定されるほど雪が多く、冬は厳しい自然と向き合いながら生活する文化が根付いています。今金町は、農業を基盤にしつつ、アウトドアや温泉、歴史遺産を生かした観光も楽しめる地域です。訪れる人々は自然と調和する生活文化を体感でき、その魅力は四季を通じて色濃く感じられるでしょう。
文化・風習
今金町の文化や風習は、山間の自然環境と開拓の歴史に大きく影響されています。アイヌ文化の痕跡も残りつつ、明治時代以降の和人入植者によって農耕や畜産が広がりました。町は長い冬を有効に過ごす知恵や共同体のつながりを大切にしており、地域のお祭りや行事は人々の結束を示す大切な機会となっています。代表的な「今金いいとこ祭り」や「いまかね秋祭り」では、収穫を祝うとともに町の特産品が並び、観光客も地元の人々と交流することができます。また、町の方言や生活習慣には北海道らしい素朴さが漂い、訪れる人々を温かく迎え入れます。農業用具として発明された「上田式豆まき器」は全国的にも知られる今金発祥の文化財であり、開拓者精神を象徴する遺産です。自然と共生する暮らしは、現代の観光業や教育活動にも反映されており、町の学校や地域活動では地域の歴史や自然との関わりを学ぶ取り組みが進められています。このように今金町は、自然・産業・歴史が織り交ぜられた独自の文化を持ち、世代を超えて受け継がれています。
特産品
- 今金男しゃく:全国的に有名なブランドジャガイモで、ホクホクとした食感と豊かな甘みが特徴です。市場では高値で取引され、コロッケや煮物などさまざまな料理で親しまれています。
- 米:内陸の肥沃な土壌と清らかな水に恵まれ、稲作も盛んです。今金町産の米は粒がしっかりとして風味が豊かで、地元では日常食として欠かせません。
- 酪農製品:自然豊かな環境で育てられた牛から生産される牛乳や乳製品は濃厚な味わいが特徴で、地域の食文化を支えています。
- 林産物:町域の山林からは良質な木材が得られ、建材や工芸品として利用されています。
年間イベント
- 今金いいとこ祭り:夏に開催される町を代表する祭りで、地元の特産品販売やステージイベントが行われ、町全体が賑わいます。
- いまかね秋祭り:秋の収穫を祝うイベントで、農産物の直売や郷土芸能の披露などが楽しめます。
- 24時間キャンプLIVE:自然を舞台に開催される音楽とアウトドアイベントで、若者や観光客から人気を集めています。
アクセス方法
- 飛行機:最寄りの空港は函館空港や新千歳空港で、そこから車やバスで今金町へ向かいます。函館からは約3時間、新千歳からは約4時間半の距離です。
- 鉄道:町内に鉄道路線はありません。最寄り駅はJR函館本線の国縫駅で、そこからバスや車でアクセスします。
- バス:今金町バスターミナルからは函館・長万部・せたな方面への路線バスが運行しています。また、町内では予約制の「ルンるん号」が運行されています。
- 自家用車:国道230号や道道を利用して札幌や函館方面からアクセスできます。冬季は積雪が多いため、車での移動は注意が必要です。
観光スポット
- 美利河ダム・ピリカ湖 – ダム湖を中心とした美しい景観が広がり、カヌーや釣りが楽しめます。
- クアプラザピリカ – 温泉、スキー場、宿泊施設、パークゴルフ場が揃う複合リゾート施設です。
- 奥美利河温泉 – 山間にある秘湯で、豊かな自然に囲まれながらゆったりと湯浴みを楽しめます。
- 美利河遺跡・ピリカ旧石器文化館 – 重要文化財に指定された旧石器時代の出土品を展示し、今金町の歴史を知ることができます。
- 常代の松 – 地域の歴史と共に残る名木で、町のシンボルのひとつです。