人口 | 29,308 人 |
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面積 | 217.05 km² |
人口密度 | 135 人/km² |
青森県黒石市(くろいしし)は、津軽地方のほぼ中央に位置し、十和田八幡平国立公園の北西の玄関口として知られる自然豊かな街です。八甲田山系の山並みと津軽平野の田園が交わる風景が美しく、古くから「小京都・黒石」とも称されてきました。特に、江戸時代に整備された「中町こみせ通り」は、伝統的な木造建築が軒を連ねる情緒あふれる町並みで、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。また、リンゴの産地として全国的に名高く、黒石産リンゴは甘みと酸味のバランスが良く、津軽の気候が生み出す風味が多くの人々に愛されています。炭鉱・農業・商業の発展とともに、独自の文化や祭りも根付いており、観光と伝統が共存する魅力的な街です。
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文化・風習
黒石市の文化は、江戸時代に弘前藩の支藩として成立した黒石藩の歴史に深く根ざしています。城下町として栄えたこの地は、津軽文化の中心の一つとして、武家屋敷、商家、そして市民の暮らしに至るまで多彩な伝統を今に伝えています。
特に「黒石よされ」は、津軽三大流し踊りのひとつとして全国的に有名で、哀愁を帯びた旋律と優雅な踊りが夏の夜を彩ります。また、冬には「旧正マッコ市」が行われ、商店街に福袋や樽酒が並び、古き良き正月の風景が蘇ります。
言葉の面では津軽弁が広く話され、「〜だべさ」「〜してけろ」といった温かみある表現が人々の暮らしを包みます。食文化も豊かで、黒石発祥の「つゆ焼きそば」は全国的に知られるご当地グルメ。寒暖差の激しい気候が育むリンゴや野菜、米を中心とした食生活も特徴的です。市内では昔ながらのこみせ通りの風情を守りながら、新しい世代が伝統を継承し続けています。
特産品
- 黒石りんご:津軽平野の豊かな土壌と昼夜の寒暖差が生み出す高糖度のりんご。特に「ふじ」「王林」「つがる」などが人気で、黒石りんごまつりでは多彩な品種を味わうことができます。
- 黒石つゆ焼きそば:地元の平打ち麺を使用し、温かい和風だしに浸した独自の焼きそば。発祥は昭和30年代の食堂で、今では市のソウルフードとして知られています。
- 津軽こけし:黒石は伝統こけしの産地としても知られ、「津軽こけし館」では制作体験も可能。手描きの表情と木の温もりが多くの人を魅了します。
- 黒石地酒:豊富な雪解け水と良質な米から作られる日本酒も人気。特に「鳩正宗」「玉垂」など、地元蔵元の酒は食文化とともに親しまれています。
- 黒石温泉郷の温泉卵:源泉の湯を使ってじっくり茹でられた温泉卵は、観光客に人気の逸品。優しい風味が特徴です。
年間イベント
- 黒石ねぷたまつり(7月下旬〜8月上旬):勇壮な武者絵が描かれた大型ねぷたが夜空を彩る黒石最大の夏祭り。地域ごとに異なる掛け声が響き、観光客にも人気です。
- 黒石よされ(8月中旬):哀愁ある民謡調のリズムに乗せて、浴衣姿の人々が通りを流し踊る。全国大会も行われる津軽伝統芸能の粋です。
- 黒石こみせまつり(9月中旬/2月上旬):歴史的建造物群が立ち並ぶ中町こみせ通りを会場に、伝統芸能・特産品販売・ライブ演奏などが開催されます。
- 黒石りんごまつり(11月):地元産りんごの収穫を祝うイベント。りんご品評会や試食販売が行われ、家族連れで賑わいます。
- 旧正マッコ市(2月第1日曜日):黒石商店街で開催される正月行事。福袋、酒樽、縁起物が並び、古き良き商人文化が感じられます。
アクセス方法
- 飛行機:最寄りは青森空港。空港から黒石市までは車で約30分、バスでもアクセス可能です。
- 電車:弘南鉄道黒石駅が中心駅。弘前駅から弘南鉄道弘南線で約25分で到着します。
- バス:弘南バスの「青森線」「弘前・南高校線」「板留・虹の湖公園線」などが運行。観光地や温泉郷への移動に便利です。
- 自動車:東北自動車道の黒石ICから市中心部まで約5分。周辺観光も車が便利です。
観光スポット
- 中町こみせ通り – 江戸時代から続くアーケード型の通り。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。
- 津軽こけし館 – 津軽系こけしの展示・制作体験ができる人気観光施設。
- 黒石温泉郷 – 板留・落合・温湯など複数の温泉が集まる名湯エリア。静かな山間で湯めぐりが楽しめます。
- 虹の湖公園 – 浅瀬石川ダム湖畔に広がる自然公園。カヌーや紅葉鑑賞など季節ごとの魅力が楽しめます。
- 秋田雨雀記念館 – 文学者・秋田雨雀の生涯と作品を紹介。教育・児童文学の歴史を学べる場所。