| 人口 | 8,228人 |
|---|---|
| 面積 | 129.88 km² |
| 人口密度 | 63.4 人/km² |
北海道中部・空知地方に位置する赤平市は、かつて炭鉱の町として隆盛し、最盛期には5万9千人近い人口を誇った地域です。明治期の開拓と炭鉱開発を通じて形成された歴史は、現在も市内各所に残る立坑やズリ山などの産業遺産に色濃く刻まれています。炭鉱閉山後は人口減少が続いたものの、地域資源の再活用や新たな産業づくりが進み、農業・食品加工業・地場企業によるものづくりなど、多様な産業構造へと転換を遂げています。市内には空知川を中心とした豊かな自然環境が広がり、四季折々の風景を楽しむことができます。特にエルム高原周辺はキャンプ・トレッキング・温泉などのアウトドア環境が整い、道内外から多くの観光客が訪れます。また、炭鉱文化を背景とした郷土芸能や昔話、方言文化が現在まで受け継がれており、市民の暮らしと地域アイデンティティの基盤となっています。赤平市は、炭鉱の記憶と自然の恵みが調和する地域として、訪れる人々に独自の魅力を伝え続けています。
文化・風習
赤平市の文化・風習は、炭鉱の歴史を中心に発展してきた地域特有の背景を色濃く反映しています。明治から昭和にかけて複数の炭鉱が操業し、多くの労働者とその家族が全国各地から移り住んだため、地域には多様な文化が混在しました。炭鉱住宅街で形成された独特のコミュニティ文化、作業の安全を祈願する風習、季節の節目を祝う行事は、閉山後の現在においても市民の間に受け継がれています。 また、赤平市には「白蛇」「雪女」などにまつわる民話が伝承されており、アイヌ文化の影響を受けた地名の由来も地域文化の一部となっています。食文化では、炭鉱時代に労働者の体を温めるために食べられた鍋料理が今も親しまれ、郷土料理「がんがん鍋」は赤平を代表する名物として知られています。 夏は市民参加型のイベントが多く開催され、冬は雪を活かした催しが盛んに行われるなど、四季に応じた地域行事が生活に根付いています。特に「火まつり」では、市内のズリ山に炎が浮かび上がり、炭鉱の歴史と祈りを象徴する幻想的な風景を見ることができます。こうした文化的要素は、地域の絆を強め、赤平市のアイデンティティとして次世代へ受け継がれています。
特産品
- がんがん鍋:炭鉱労働者のための体を温める料理として広まった郷土料理。鉄製の鍋に豚肉・野菜・味噌を入れて豪快に煮込む赤平の名物料理で、市内飲食店でも提供されている。
- 塊炭飴(石川商店):石炭を模した黒色の飴。見た目の迫力と独自の甘みが人気で、市外からの購入客も多い。
- エルム高原産食材:エルム高原地区で生産される野菜や農産加工品は品質が高く、市内イベントや直売所で購入できる。
年間イベント
- あかびら火まつり:ズリ山に炎が灯され、炭鉱の歴史に祈りを捧げる赤平最大のイベント。市民総出で作られる迫力ある火柱が赤平の夏を彩る。
- サマーフェスティバル:市街地で開催される夏の恒例イベントで、ステージ演奏・キッチンカー・子ども向け企画など幅広い世代が楽しめる。
- 赤平味覚祭り:地元産食材を中心とした料理が並ぶ秋の食イベント。野菜、特産物、加工食品などを求め、多くの来場者でにぎわう。
- 赤平冬まつり:雪像づくり、雪上ゲーム、イルミネーションなどが行われる冬の恒例行事。家族連れに人気が高い。
アクセス方法
- 飛行機:最寄りの空港は新千歳空港。空港からは道央自動車道と国道38号を利用して車で約1時間45分。レンタカー利用が最も便利。
- JR:JR根室本線「赤平駅」「茂尻駅」「平岸駅」を利用可能。札幌駅から滝川駅まで特急で約50分、滝川駅で普通列車に乗り換え赤平駅へ約12分。
- 車:道央自動車道「滝川IC」から国道38号を利用して約20分。旭川・帯広方向からのアクセスも良い。
- バス:北海道中央バス(滝川営業所)が赤平市内路線を運行。滝川からの地域間交通に活用できる。
観光スポット
- エルム高原家族旅行村 – キャンプ場・コテージ・温泉がそろった赤平市最大のアウトドアスポット。森林浴やBBQ、天体観測にも最適。
- エルム高原温泉ゆったり – 美しい森に囲まれた天然温泉。露天風呂からは四季折々の景色が楽しめる。
- 日本一のズリ山階段(777段) – 標高197mのズリ山に造られた日本一の階段。頂上からは市街地と暑寒別岳を一望できる。
- 旧住友赤平炭鉱立坑 – 日本最大級の立坑櫓が残る炭鉱遺産。見学会やガイドツアーが実施される。
- 赤平市総合体育館周辺公園 – 市民憩いの場として整備され、散策やスポーツ利用に適したエリア。
