| 人口 | 938 人 |
|---|---|
| 面積 | 308.08 km² |
| 人口密度 | 3.04 人/km² |
北海道オホーツク管内の内陸部に位置する西興部村(にしおこっぺむら)。面積の約9割を森林が占める自然豊かな村で、アイヌ文化の名残と明治期以降の開拓の歴史が調和する、独自の文化風土を形成しています。村の基幹産業は酪農で、高品質な乳製品が特に有名です。自然と共生するライフスタイルが村全体に根づき、地域コミュニティの結束も強く、助け合いの精神が今も息づいています。また、方言には北海道独特の言い回しがあり、地域の温かみが感じられます。村の象徴であるイメージキャラクター「セトウシくん」や、オレンジ色で統一された街並みも特徴的です。これらは「美しい村づくり条例」と「景観形成指針」に基づき整備され、四季の自然と調和した独特の景観を生み出しています。
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文化・風習
西興部村は、アイヌ文化の影響を背景に、明治時代以降の開拓によって形づくられた独自の文化と生活様式を今に伝えています。村の人々は自然との共生を大切にし、森林や川と共に暮らす「森の村」として知られます。1987年から2003年まで村長を務めた三宅豊氏の提唱により、村全体を温かみのあるオレンジ色の建物で統一し、「ぬくもりと元気のある景観づくり」が進められました。また、「森の美術館 木夢(こむ)」や「マルチメディア館 IT夢(アトム)」など、文化と教育を融合した施設も整備されています。 村では「むら興しまつり」や「行者の滝まつり」など地域一体となる祭りが開催され、老若男女が参加することで村の絆を深めています。これらのイベントは、厳しい冬を乗り越える地域の力強さと、自然と共に生きる文化を象徴しています。
特産品
- 乳製品(西興部牛乳・チーズ・バター):豊かな牧草地と清らかな水で育まれた乳牛から搾られる牛乳は濃厚で、村内や周辺地域で加工されるチーズやバターは高品質で知られています。
- マツタケ焼酎:地元の山林に自生するマツタケを使用し、村外の酒造会社に委託して醸造された特産焼酎。香り豊かで贈答品として人気があります。
- 鹿肉製品:1990年に開設された鹿牧場で育てられたエゾシカ肉を活用し、ソーセージやジビエ料理として商品化されています。高たんぱく・低脂肪の健康食材として注目されています。
- はちみつ・山菜・きのこ:村の森林地帯では天然の恵みが豊富に採れ、季節ごとの山菜やキノコ、地元養蜂家による純粋はちみつが人気です。
- 木工クラフト製品:地元の森林資源を活用し、村民やアーティストが手掛ける木工製品や家具は「木のぬくもりの村」らしい逸品です。
年間イベント
- 行者の滝まつり(7月19日):行者の滝で開催される夏の伝統行事。滝の清らかな水を背景に安全祈願や地元芸能が行われ、多くの来場者で賑わいます。
- むら興しまつり(8月下旬):村の一大イベントで、地元産品の販売、ステージイベント、打ち上げ花火などが催され、村民と観光客が一体となって楽しみます。
- 雪まつり(2月):冬の西興部を象徴する祭りで、雪像展示やスノーモービル体験など、雪国ならではのアクティビティが満載です。
- 紅葉フェスタ(10月中旬):ウエンシリ岳や西興部森林公園周辺が紅葉に染まる季節に行われ、自然散策や地元グルメの出店が楽しめます。
- 森の美術館 木夢フェスティバル(夏季):森の美術館 木夢で開催され、地元作家による展示や木工体験が人気です。
アクセス方法
- 飛行機:最寄り空港は紋別空港(車で約1時間)または旭川空港(車で約2時間半)。いずれもレンタカー利用が便利です。
- 鉄道:村内に鉄道路線はありません。最寄り駅はJR名寄駅で、そこから名士バス興部線に乗り換えて西興部村へ向かいます。
- バス:名士バス興部線が名寄市と興部町を結び、村内を国道239号沿いに横断しています。村営バスも中藻・上藻地区を中心に運行されています。
- 自動車:札幌からは約270km(約5〜6時間)。国道12号・239号を経由して向かいます。冬季は積雪・凍結に注意が必要です。
観光スポット
- 森の美術館 木夢(Komu Museum of Art) – 木の温もりを感じるアートスペースで、地元作家や国内外の木工芸作品を展示。家族連れにも人気です。
- 道の駅にしおこっぺ花夢(かむ) – 村の特産品販売やレストランを併設。観光拠点としても便利で、道内外からのドライバーに親しまれています。
- ウエンシリ岳 – 標高1,142mの美しい山で、登山や自然観察に最適。山頂からはオホーツク海まで見渡せる絶景が広がります。
- 西興部森林公園 – 散策路やキャンプ場が整備され、四季折々の自然を満喫できます。
- 赤岩の滝 – 落差20mほどの迫力ある滝で、夏は避暑地として人気です。
