北海道長万部町完全ガイド｜観光・文化・特産品・アクセス情報

北海道渡島総合振興局北部に位置する長万部町は、豊かな海と山に囲まれ、古くから自然とともに歩んできた地域です。町の歴史はアイヌ文化に深く根ざし、地名「オシャマンベ」もアイヌ語に由来するとされています。近代以降は鉄道と国道の整備により交通の要衝として発展し、特に函館本線と室蘭本線が交差する長万部駅周辺は物流拠点として賑わいました。現在ではホタテ・毛ガニを中心とする漁業が主要産業となり、また町民と観光客が集う「おしゃまんべ毛がにまつり」などのイベントも盛んです。町を歩けば、海の恵みを活かした食文化や自然を身近に感じる暮らしが息づき、北海道方言やアイヌ文化に由来する地名などが日常に溶け込んでいます。四季の移ろいがはっきりと感じられる風土も魅力で、春の新緑から厳しい冬の雪景色まで、訪れる人々に多彩な表情を見せる地域です。

文化・風習

長万部町は、自然と伝統がゆるやかに融合した独自の文化圏を形成しています。アイヌ文化の痕跡は現在も町内の史跡や伝承に残り、特にシャクシャインの戦いの舞台となった「国縫地区」周辺は歴史的にも重要な地域として知られています。鉄道開通以降は物流の拠点となり、駅前を中心に多くの商店・旅館が立ち並び発展を続けてきました。今日では漁業と観光が地域経済を支え、浜沿いの集落ではホタテや毛ガニ漁が盛んに行われています。 町民の生活には北海道方言が自然に使われ、海の幸や山菜を中心とした食文化が根付いています。地域の祭りも活発で、「おしゃまんべ毛がにまつり」は道南有数の来場者を誇り、毎年多くの観光客で賑わいます。また、長万部温泉や二股ラジウム温泉など、古くから親しまれる温泉文化も魅力の一つです。町内には歴史的建造物や文化施設も点在し、自然と歴史を同時に味わえる環境が整っています。

特産品

• 長万部ホタテ：長万部沿岸で水揚げされるホタテは身が厚く濃厚な甘みが特徴。水揚げされた直後の活ホタテや加工品としても高い人気を誇っている。
• かにめし：全国的知名度を誇る、長万部駅発祥の駅弁。殻ごと茹でた毛ガニの身を丁寧にほぐし、秘伝のタレで炊き上げたご飯に載せた名物料理で、多くの旅行者が求める逸品。
• 長万部せんべい：昔ながらの製法で焼き上げる素朴な味わいの米せんべい。軽い食感で、町の土産物として長く親しまれている。
• サンミート木村のホルモン：地元精肉店が製造する味付けホルモンで、濃厚な味わいが地元住民にも観光客にも人気。
• 黄金毛ガニ：噴火湾で獲れる毛ガニは身の締まりと濃厚なカニ味噌が特徴で、長万部を代表する高級海産物。

年間イベント

• 長万部春まつり（5月）：地元産の海産物や春野菜の販売、ステージイベントなどが行われる初夏の恒例行事。
• おしゃまんべ毛がにまつり（7月）：巨大ゆで釜で茹でた毛ガニの販売やステージライブなど、多くの観光客で賑わう町最大級のイベント。
• 長万部花火大会（夏）：海上に映える色鮮やかな花火が魅力で、町民と観光客が集まる夏の夜の風物詩。
• 飯生神社例大祭（8月）：町内神社の伝統行事で、神輿巡行や夜みこし行列が行われる。
• 長万部雪あかり祭り（冬）：手作りの雪灯籠が点灯し、冬のまちを幻想的に照らすイベント。

アクセス方法

• 飛行機：最寄りの新千歳空港から車で約2時間。レンタカーまたは高速バスでアクセス可能。
• 列車：JR函館本線・室蘭本線 長万部駅 が主要駅。特急列車も停車する。
• バス：札幌・函館方面から高速バスが運行。町内中心部の停留所から各地区へ移動可能。
• 車：札幌から国道5号・230号経由で約2.5時間。道央自動車道でのアクセスも容易。
• フェリー：函館港から陸路で約1時間半。町内にフェリー港はない。

観光スポット

• 長万部温泉 – 道南でも歴史の長い温泉地。肌に優しい泉質で地元住民にも親しまれている。
• 長万部公園 – 広大な森林と散策道が整備され、四季の自然が楽しめる町営公園。
• 長万部漁港 – 新鮮な海産物が水揚げされる町の中心漁港。活気ある市場の雰囲気が魅力。
• 町民センター（郷土資料室） – 地域の歴史資料や鉄道関連の展示があり、長万部の文化を学べるスポット。
• 静狩湿原 – 国の天然記念物であった歴史を持つ湿原。貴重な動植物を観察できる自然豊かなエリア。

関連リンク

• 長万部町役所公式サイト
• 長万部町の地図（Googleマップ）