| 人口 | 4,871人 |
|---|---|
| 面積 | 402.88 km² |
| 人口密度 | 12.1人/km² |
北海道の中心部・十勝地方に位置する鹿追町は、雄大な自然環境と深い歴史、そしてアイヌ文化の名残を色濃く残す地域として知られています。町名はアイヌ語「クテク・ウシ(鹿捕り柵のある所)」に由来し、古くから狩猟文化とともに人々の営みがあった地域です。町の北側には大雪山国立公園の高山群が広がり、然別湖(しかりべつこ)や東雲湖など、貴重な自然環境が点在します。生活は自然と密接に結びついており、酪農や畑作といった農業が主産業として発展。特にバイオガス事業や環境保全活動に力を入れ、十勝地方の中でも持続可能な地域づくりを進めてきました。 また、町内には神田日勝記念美術館をはじめ文化施設が多く、地域コミュニティ活動も盛んです。冬の「しかりべつ湖コタン」や「白蛇姫まつり」など地元の祭りは全国的にも注目され、多くの観光客が訪れます。歴史・自然・文化が調和した鹿追町は、一度訪れた人が深く心に残す魅力にあふれた町です。
文化・風習
鹿追町は、アイヌ文化の影響が至るところに残る地域です。町名の由来が示す通り、古くはアイヌの人々が鹿猟を行っていた地帯であり、地名や山名にもアイヌ語が残っています。現在でも自然を敬い共生する精神が生活文化に息づき、農業や観光の中にもその価値観が反映されています。 また、町ではコミュニティ活動が活発で、住民同士のつながりを大切にした風習が根付いています。代表的な祭事には「白蛇姫まつり」や、凍結した然別湖上に雪と氷で作られた幻想的な村が現れる「しかりべつ湖コタン」が挙げられます。これらの祭りは自然との共生、地域の歴史、文化の継承を象徴しており、町のアイデンティティそのものです。 神田日勝に象徴される芸術文化も重要で、農民画家として町に深く根を下ろした彼の作品は、美術教育や地域文化の形成にも大きな影響を持ち続けています。
特産品
- 鹿追そば:町の代表的な特産品。冷涼な気候と肥沃な土壌で育つそばは風味が強く、地元のそば店や直売所で味わえる。
- オショロコマ:然別湖に生息する希少な淡水魚。北海道指定天然記念物で、保護のため漁獲は制限されているが、湖周辺で資料展示や観察体験ができる。
- 小豆・豆類:十勝地方の良質な豆類の中でも鹿追産は品質に定評があり、和菓子店や加工品にも利用される。
- トウモロコシ:気温差の大きい気候が甘味を引き出す。町内の直売所や夏祭りでも人気。
- 木工工芸品・鹿追焼き:地元作家による木工芸や陶器は町の文化を象徴する品として人気。
年間イベント
- しかりべつ湖コタン(1〜3月):凍った然別湖上に雪と氷で作られた幻想的な「氷の村」が登場。アイスバーや氷上露天風呂など唯一無二の冬イベント。
- 白蛇姫まつり(7月第1土曜):地元伝説に基づく舞や花火が行われる夏の風物詩。
- 鹿追町民花火大会(7月下旬):十勝の夏を彩る花火大会。地元住民と観光客で賑わう。
- しかおい花フェスタ(7月):花のまちとして知られる鹿追町の代表イベント。花壇展示や体験イベントが行われる。
- 鹿追そばまつり(10月上旬):新そばの季節に開催。そば打ち体験や地元店のそばが楽しめる人気催事。
アクセス方法
- 飛行機:新千歳空港から車で約2時間。高速利用で所要時間が安定し、最も一般的なアクセス手段。
- JR:最寄り駅はJR石勝線・根室本線の「新得駅」。駅から鹿追町までは車で約30分。(※「鹿追駅」は存在しません)
- バス:帯広駅から北海道拓殖バスが運行。鹿追町中心部まで約1時間。
- 自動車:札幌から約3時間。国道274号を利用してアクセスが可能。
観光スポット
- 神田日勝記念美術館 – 農民画家・神田日勝の作品を展示する美術館。町を代表する文化施設。
- 然別湖 – 大雪山国立公園内にある十勝唯一の自然湖。透明度の高い湖と静寂の風景が魅力。
- 東雲湖 – 然別湖の奥地にある秘湖。徒歩でのみアクセス可能な神秘的スポット。
- 福原山荘 – 秋の1か月間のみ一般公開される紅葉の名所。
- とかち鹿追ジオパーク会館 – 町全域がジオパークに認定されており、自然の成り立ちを学べる施設。
