| 人口 | 3,447 人 |
|---|---|
| 面積 | 520.69 km² |
| 人口密度 | 6.62 人/km² |
北海道宗谷総合振興局に属する豊富町(とよとみちょう)は、雄大な自然と深い歴史をあわせ持つまちです。町名の通り、豊かな土地と四季折々の美しい風景に恵まれ、利尻礼文サロベツ国立公園の一部である「サロベツ原野」が広がります。アイヌ文化の名残が随所に見られ、自然と共に生きる知恵と暮らしが今も息づいています。豊富町では農業、とくに酪農が盛んで、人口約4,000人に対し乳牛は1万6千頭を超えるといわれます。町のブランド「豊富牛乳」や地元の工房によるチーズ、ジェラートなどの乳製品は道内外で高い評価を受けています。さらに、風力発電などの自然エネルギー導入にも力を入れ、持続可能な地域社会を目指しています。 豊富町の風土を肌で感じるなら、毎年夏に行われる「豊富八幡神社例大祭」や「サロベツ花まつり」、冬の「豊富温泉雪まつり」が見どころです。町の日常には北海道方言やアイヌ文化の影響が残り、地域の絆が強く、自然と人が調和した暮らしが続いています。地元の人々は、豊かな自然と共生しながら伝統や文化を次世代へと受け継いでおり、その穏やかで温かな暮らしぶりが訪れる人々を魅了しています。
文化・風習
豊富町の文化は、アイヌ語由来の地名「エベコロベツ(何でも豊富にある)」に象徴されるように、自然の恵みと共に歩んできた歴史に根ざしています。サロベツ原野や兜沼など、自然環境を生かした産業や観光が発展しており、農業と風力発電が町の基幹です。特に酪農は北海道内でも上位規模で、町内には「工房レティエ」や「サロベツファーム」といった高付加価値食品を製造する事業者が立地しています。 年間を通じて開催される祭りやイベントも多く、地元の風習や方言、アイヌ文化が息づいています。特に「サロベツ花まつり」では、ミズバショウやワタスゲが咲き誇る湿原を背景に自然と文化が融合した催しが行われます。冬の「豊富温泉雪まつり」では、雪像づくりや雪上イベントが行われ、町全体が冬の賑わいに包まれます。豊富町は、自然・文化・産業が調和した北海道らしいライフスタイルを今に伝える地です。
特産品
- 豊富牛乳:地元ブランドとして親しまれる「豊富牛乳」は、低温殺菌・ノンホモ製法により生乳本来の甘みとコクを味わえます。豊富牛乳公社(Googleマップ)
- サロベツファーム:旧芦川小学校跡地にある人気のハム・ソーセージ工房。無添加製法で作られる製品は観光客にも人気。サロベツファーム(Googleマップ)
- 工房レティエ:豊富町産生乳を使用したナチュラルチーズ、ジェラートの製造・販売を行う工房。体験プログラムも充実。工房レティエ(Googleマップ)
- 豊富温泉の湯の華:石油成分を含む独特な泉質で知られ、皮膚病に効能があるとされる湯はお土産品としても人気。
- サロベツ蜂蜜:豊富町内の自然林で採蜜される天然はちみつは、ミズナラやレンゲソウなど多彩な花の風味を持ち、地域限定で販売されています。
年間イベント
- 豊富八幡神社例大祭(6月中旬):町の伝統神事で、山車や神輿行列が商店街を巡る夏の風物詩。
- サロベツ花まつり(7月上旬):サロベツ湿原センターを中心に開催される自然観察イベント。サロベツ湿原センター(Googleマップ)
- 豊富町商工夏まつり(8月中旬):地元グルメの出店や音楽ライブなど、地域の賑わいを楽しめるイベント。
- 全道ポニーばんば大会(9月):ポニーが力強くソリを引く北海道らしい競技イベント。豊富町多目的広場(Googleマップ)
- 豊富温泉雪まつり(2月上旬):雪像展示、冬花火、雪中ゲームなどが行われる冬の恒例行事。豊富温泉(Googleマップ)
アクセス方法
- 飛行機:最寄りは稚内空港。札幌(新千歳空港)から直行便で約55分。空港から豊富町中心部へは車で約50分。
- 鉄道:JR宗谷本線の豊富駅が中心。旭川駅から特急「宗谷」で約3時間30分。
- バス:沿岸バスの「特急はぼろ号」が札幌~豊富温泉間を運行(約6時間)。沿岸バス公式サイト
- 車:札幌市から国道40号経由で約5時間。稚内市からは約1時間30分。
観光スポット
- 豊富温泉 – 日本最北の温泉郷。皮膚疾患に効能があるとされ、湯治客に人気。
- サロベツ湿原センター – サロベツ原野の自然と生態系を学べる拠点施設。木道散策路も整備。
- 兜沼公園キャンプ場 – 水鳥が集う湖畔に位置する自然豊かなオートキャンプ地。
- 大規模草地牧場・宮の台展望台 – 広大な放牧地と利尻山を望む絶景スポット。
- 稚咲内海岸・原始砂丘林 – 北海道指定天然記念物の砂丘林。夕陽スポットとしても人気。
