人口 | 4,438 人 |
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面積 | 743.09 km² |
人口密度 | 5.97 人/km² |
北海道沙流郡に位置する平取町(びらとりちょう)は、アイヌ文化の中心地として全国的に知られる町です。町名はアイヌ語の「ピラウトゥル(Pira-uturu)」に由来し、「崖の間」という意味を持ちます。日高山脈の西麓に広がる豊かな自然と、沙流川が形成する肥沃な土地により、稲作・畜産・トマト栽培などの農業が盛んです。特にブランド牛「びらとり和牛」と、糖度の高いトマト「ニシパの恋人」は町を代表する特産品として全国に知られています。また、町内には二風谷(にぶたに)地区を中心に、古くからアイヌ民族が暮らしており、伝統文化や工芸品、儀式などが今も息づいています。自然と人、伝統と現代が調和した平取町は、北海道の原風景を感じられる貴重な地域です。
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文化・風習
平取町は、北海道におけるアイヌ文化の中心地のひとつとして知られています。町内の二風谷地区では、アイヌの言葉・音楽・踊り・工芸が今も受け継がれ、二風谷アイヌ文化博物館や萱野茂二風谷アイヌ資料館で、その伝統を学ぶことができます。町の名前の「平取」もアイヌ語に由来しており、自然とともに生きる文化が町全体に根付いています。
祭りや行事も多彩で、春から夏にかけては「すずらん観賞会」、夏にはアイヌ伝統の舟下ろし儀式「チプサンケ」、秋には「びらとり沙流川まつり」などが行われます。これらは、自然への感謝と地域のつながりを大切にする平取町の精神を象徴しています。冬は雪深い地域でありながら、町民は雪と共に生き、四季折々の暮らしを楽しんでいます。自然と文化が融合したこの地は、訪れる人々に深い印象を残すことでしょう。
特産品
- びらとり和牛: 北海道を代表するブランド牛で、柔らかな肉質と豊かな旨味が特徴。びらとり温泉ゆからのレストランなどでも味わうことができます。
- トマト「ニシパの恋人」: 平取町特産の完熟トマトで、濃厚な甘みと酸味のバランスが絶妙。トマトジュースやピューレなどの加工品も人気です。
- びらとりハム・ソーセージ: 地元産の健康豚を使用し、無添加・手づくりにこだわった製品。平取産ポークの旨味を生かした逸品です。
- アイヌ木彫り工芸品: 二風谷の職人が手がける木彫りは、文様「アイウシ(渦巻)」など伝統的なデザインが施され、国の伝統的工芸品に指定されています。
- びらとり蜂蜜: 山林と牧草地が多い平取町では、アカシアやシラカバなどの蜜源が豊富で、香り高い蜂蜜が採れます。
年間イベント
- すずらん観賞会(5月下旬〜6月上旬):芽生すずらん群生地にて開催される、全国有数のすずらん群落の一般公開イベント。
- チプサンケ(8月):沙流川で行われるアイヌの伝統的な舟下ろしの儀式。祈りと感謝を込めて丸木舟を川へ送り出します。
- びらとり沙流川まつり(9月):平取市街地周辺で行われる夏の最大イベント。特産品販売やステージイベントなどが楽しめます。
- びらとり産業まつり(11月):農畜産物や特産品の販売、びらとり和牛の試食などが行われる、秋の恒例行事。
- 二風谷アイヌ文化祭(10月):二風谷地区で開催される伝統舞踊や手工芸の展示会。アイヌ文化の魅力を肌で感じられるイベントです。
アクセス方法
- 飛行機: 最寄りの空港は新千歳空港。空港から車で約2時間(国道274号・237号経由)。
- バス: 鵡川駅や苫小牧市から道南バスが運行。JR日高本線廃止後も代替バスでアクセス可能です。
- 自動車: 道央自動車道・千歳ICから国道237号を北上して約90km。富川経由で約1時間45分。
- レンタカー: 新千歳空港または苫小牧市内でのレンタルが便利。町内観光スポット間の移動も容易です。
観光スポット
- 二風谷アイヌ文化博物館 – アイヌの歴史や文化を展示する施設。実演や体験プログラムも充実。
- 萱野茂二風谷アイヌ資料館 – アイヌ研究者・萱野茂が収集した生活用具や文化資料を展示。
- 二風谷ダム – 沙流川に建設された多目的ダムで、美しい湖面と周辺の自然が魅力。
- 義経神社 – 源義経が北の地に逃れたという伝説に基づく神社。桜の名所としても知られる。
- びらとり温泉ゆから – 沙流川を望む温泉宿泊施設。露天風呂からの眺めが絶景。