人口 | 1,935 人 |
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面積 | 189.41 km² |
人口密度 | 10.2 人/km² |
北海道後志地方の山あいに位置する喜茂別町(きもべつちょう)は、羊蹄山と尻別岳に囲まれた風光明媚なまちです。アイヌ語で「山の中の川」を意味する「キムオペッ」に由来するこの町は、古くから自然とともに暮らしてきた人々の歴史を今に伝えています。明治時代には東本願寺による「本願寺道路(現在の国道230号)」の開削により札幌と伊達を結ぶ要衝として発展しました。現在は酪農や畑作を中心とした農業が主要産業で、特にホワイトアスパラガスの発祥地として知られています。また、中山峠で販売される名物「あげいも」は観光客に人気の逸品です。冬は豪雪地帯として知られ、雪まつりやスキーなどのウィンタースポーツが盛んです。地域住民は自然と共に生き、四季折々の行事を通じて豊かな文化を守り続けています。
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文化・風習
喜茂別町は、アイヌ文化と開拓時代の歴史が交錯する地域であり、自然への敬意と人々の努力によって築かれてきました。町では北海道特有の方言が今も使われ、地域の絆が強く、世代を超えたコミュニティ文化が息づいています。冬の「喜茂別雪まつり」では、雪像やイルミネーションが町を彩り、地元グルメや温かい飲み物が振る舞われ、寒さを楽しむ文化が根づいています。夏には「喜茂別町夏まつり」が開催され、盆踊りや花火大会で多くの人が集います。また、町内には東本願寺道路の開削を記念した「現如上人像」や、地域の歴史を伝える「比羅夫神社」があり、先人への敬意が感じられます。喜茂別の文化は、農業や自然、信仰と深く結びつきながら、今も穏やかに受け継がれています。
特産品
- 喜茂別産ホワイトアスパラガス:北海道の冷涼な気候と肥沃な土壌で育まれたアスパラガスは、1930年代から栽培が始まった町のシンボル。甘みと柔らかさが特徴で、缶詰「クレードルブランド」として全国に知られています。
- 喜茂別町産ジャガイモ:昼夜の寒暖差が大きい気候により糖度が高く、ホクホクした食感が魅力。特に「男爵」や「メークイン」は人気の品種です。
- 喜茂別産大豆:良質な水と土壌で栽培され、味噌や豆腐に最適。地元では豆腐料理や味噌加工品も販売されています。
- あげいも(中山峠名物):中山峠の「望羊中山」売店で販売される名物。ホクホクのジャガイモに甘い衣をまとわせた揚げたての味が人気です。
- 喜茂別牛乳・チーズ:町内の酪農家が生産する高品質な乳製品。濃厚ながらもまろやかな味わいで、観光客にも好評です。
年間イベント
- 喜茂別町夏まつり:毎年8月に開催される町最大の祭り。盆踊りや屋台、花火大会が行われ、家族連れや観光客で賑わいます。
- 喜茂別雪まつり:冬に開催される雪と氷のイベント。雪像展示やスノーモービル体験、温かい地元料理の屋台が並びます。
- 秋の収穫祭:9〜10月にかけて行われる秋の恒例行事。町内の農産物直売やアスパラ製品販売など、喜茂別の味覚を満喫できます。
- ジンギスカンフェスティバル:夏の終わりに開催される地元グルメイベント。地元産の羊肉と新鮮野菜を使ったジンギスカンが味わえます。
- 新春初売り:正月の恒例イベントとして、地元商店街で特価品や福袋販売が行われ、地域の交流の場となっています。
アクセス方法
- 飛行機:新千歳空港から車で約1時間半。レンタカー利用が便利で、国道276号または230号経由でアクセス可能。
- バス:道南バス「札幌〜洞爺湖」線が運行しており、札幌駅から喜茂別町まで約2時間。
- 鉄道:現在町内に鉄道はありませんが、最寄り駅はJR函館本線の倶知安駅で、バスで約40分。
- 自動車:札幌中心部から国道230号を経由して約1時間40分。中山峠を越えるルートは景観も美しく人気です。
- フェリー:苫小牧港から車で約2時間。北海道各地からのアクセスが容易です。
観光スポット
- 道の駅 望羊中山 – 国道230号沿いにある人気スポット。羊蹄山の絶景を望みながら名物「あげいも」を楽しめます。
- 比羅夫神社 – 阿倍比羅夫を祀る歴史ある神社で、町の由来に深く関わる霊地。
- 中山峠スキー場 – 冬季には良質な雪質を誇るゲレンデでスキーやスノーボードを満喫できます。
- 喜茂別町民公園 – 四季折々の自然が楽しめる公園で、散歩やピクニックに最適。
- 旧双葉小学校 雪月花廊 – 廃校を再利用したアートと歴史の交流拠点。写真家・嶋田忠氏の作品も展示。
- 郷の駅 ホッときもべつ – 地元農産物や特産品が並ぶ直売施設。観光案内や休憩にも便利です。