人口 | 25,105 人 |
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面積 | 477.64 km² |
人口密度 | 52.6 人/km² |
北海道十勝地方の中央南部に位置する幕別町(まくべつちょう)は、豊かな自然と酪農文化が息づく町です。開拓時代からの歴史を受け継ぎ、昭和以降は農業と乳製品製造を基盤に発展してきました。十勝平野の広大な大地と澄んだ空気、そして清らかな水に恵まれたこの地では、ナガイモやユリ根、牛乳など全国に誇る農畜産物が生産されています。町民たちは自然と共に生き、四季の移ろいを感じながら、地域の行事や祭りを大切にしています。幕別温泉や十勝ヒルズなど観光資源にも恵まれ、訪れる人々を心からもてなす町でもあります。町の方言や生活文化には、開拓時代の精神と北国らしい温かさが息づいており、雪国ならではの助け合いの文化も色濃く残っています。訪れる人は、自然と人の温もりが調和する幕別町の魅力にきっと惹かれることでしょう。
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文化・風習
幕別町は、明治期の開拓時代に全国各地から移住者が集まって形成された町であり、地域ごとに特色ある文化が育まれてきました。特に酪農と畑作を中心とした農業文化が町の生活基盤を支えており、今もなお家族経営の牧場が多く見られます。地元では北海道特有の方言が日常的に使われ、暖かく親しみやすい会話が交わされています。
冬の厳しい寒さを乗り越えるために、地域住民が協力して雪かきを行う「ゆきおこし」は、町の絆を象徴する風習です。また、祭り文化も盛んで、幕別温泉まつりや産業まつりなど、地元の恵みを祝う行事が年間を通じて開催されています。とくに「まくべつ産業まつり」では、新鮮な農産物の即売や地元料理の試食が人気で、多くの来場者で賑わいます。
特産品
- ナガイモ(和捻じょ):幕別町を代表する農産物で、なめらかな粘りと上品な甘みが特徴。全国有数の生産量を誇り、「和捻じょ」は通常の長芋より毛穴が少なく、料理人にも高く評価されています。
- ユリ根:忠類地区で昭和37年から栽培されており、全国に出荷される高級食材。ほくほくとした甘みがあり、和食や菓子材料として人気です。
- 越冬長ねぎ:雪の下で越冬させることで、柔らかく香り高いネギに仕上がります。冬から春にかけての希少な旬の味覚です。
- 幕別牛乳:豊かな牧草地で育つ乳牛から搾られる牛乳はコクがあり、地元のカフェや温泉施設でも提供されています。
- 大正金時:幕別町途別地区が発祥の地とされる赤いんげん豆。美しい赤紫色とほくほくとした食感が特徴で、煮豆や甘納豆に最適です。
年間イベント
- 忠類ナウマン全道そり祭り(2月第3日曜) – ナウマン象化石発見を記念する冬の祭典。手作りのそりで雪上を滑走するユニークな大会です。
- 幕別町畜産祭り(6月) – 地元の酪農家が集い、乳製品や焼肉など十勝の味覚を楽しめるイベントです。
- まくべつ夏フェスタ(7月中旬) – 花火大会や音楽ライブが行われる夏の一大イベントで、札内川沿いが賑わいます。
- 忠類どんとこいむら祭り(10月第3日曜) – 秋の収穫を祝う祭りで、ユリ根や乳製品の販売、ステージショーが行われます。
- まくべつ産業まつり(10月第1日曜) – 農産物の展示・即売や地元企業の出店など、町の産業を体感できるイベントです。
アクセス方法
- 飛行機:最寄りはとかち帯広空港。東京(羽田)・名古屋・大阪など主要都市から直行便があり、空港から車で約30分。
- 電車:JR根室本線の幕別駅または札内駅で下車。帯広駅からは約20〜30分。
- バス:帯広駅前から十勝バス「幕別線」に乗車し、幕別町各地区へアクセス可能。札内地区や忠類方面行きも運行。
- 車:帯広市中心部から国道38号または236号を利用し約30分。帯広広尾自動車道の忠類ICからは約10分。
- 自転車:帯広市からサイクリングロード(札内川沿い)を通ってアクセス可能。平坦な道が多く、十勝の風を感じながら走れます。
観光スポット
- 明野ケ丘公園 – 幕別のシンボル「ピラ・リ」が立つ展望公園。十勝平野と日高山脈を一望できます。
- 十勝ヒルズ – 美しい花々とガーデンレストランが楽しめる観光庭園。四季折々の景観が魅力です。
- 幕別温泉 – 源泉かけ流しのモール温泉で、肌がすべすべになると評判。グランヴィリオホテルが併設。
- 忠類ナウマン象記念館 – 約12万年前のナウマン象化石が展示され、忠類地区の歴史を学べます。
- 道の駅忠類 – ナウマン温泉「アルコ236」併設の観光拠点。地元産の乳製品やユリ根スイーツが人気。