| 人口 | 7,087 人 |
|---|---|
| 面積 | 302.52 km² |
| 人口密度 | 23.4 人/km² |
北海道の中部、道央地方に位置する三笠市は、かつて炭鉱の町として発展を遂げた歴史と、現在の豊かな自然資源が共存する地域です。最盛期には6万人を超える人口を抱え、北海道の近代化を支えた炭鉱産業の中心地でもありました。しかし、相次ぐ炭鉱の閉山により人口は激減し、現在は約8千人規模の小規模自治体となっています。それでも炭鉱の記憶は市内の史跡や博物館で今も息づいており、観光資源として高い価値を持ちます。市全域が「三笠ジオパーク」として認定されており、アンモナイトやエゾミカサリュウといった貴重な化石資源が数多く出土することでも知られています。また、豊かな自然環境を活かした農業も盛んで、メロン・スイカ・タマネギなどの農産物や梅、地元ワインなど多彩な特産品があります。四季を通じて祭りやイベントが行われ、歴史と自然、文化を体感できる地域です。訪れる人々は炭鉱遺産と自然の美しさが織りなす独特の魅力を感じ取ることができるでしょう。
文化・風習
三笠市は、北海道の近代化を象徴する炭鉱の歴史と、アイヌ文化の影響を併せ持つ地域です。1879年に幌内炭鉱が開かれ、1882年には北海道初の鉄道である幌内鉄道が全通し、炭鉱町として急速に発展しました。最盛期には人口5万人を超え、炭鉱労働者とその家族が暮らす活気あふれる町でした。閉山後は人口減少と過疎化が進みましたが、炭鉱遺構や博物館を通じて当時の歴史を知ることができます。
文化面では「北海盆唄」の発祥地としても有名で、今も毎年盆踊り大会が開かれ、地域住民や観光客に親しまれています。また、市民の生活には北海道特有の方言が息づき、アイヌ語由来の地名も多く残されています。自然に囲まれた暮らしの中で、農業や林業が人々の生活を支えており、特に果樹や野菜を利用した豊かな食文化が根付いています。
年間行事としては、冬の「みかさちびっこ雪まつり」や夏の「三笠北海盆おどり」、秋の「桂沢紅葉まつり」などが開催され、四季折々の自然や地域文化を楽しむことができます。これらの祭りは単なる娯楽にとどまらず、地域コミュニティの絆を深め、観光客に三笠市ならではの魅力を伝える重要な文化資産となっています。
特産品
- 三笠メロン：糖度が高く香り豊かな果肉が特徴で、北海道内外に出荷される人気の特産品。夏の贈答用として高い評価を受けています。
- 三笠スイカ：みずみずしく甘いスイカは、暑い夏にぴったりの特産物。シャリ感のある果肉が魅力です。
- 三笠タマネギ：肥沃な土壌で育つタマネギは甘味が強く、炒め物やサラダ、カレーなど多彩な料理に利用されています。
- 三笠あすか梅：旧邦梅園から受け継がれた梅を栽培する「三笠あすか梅の杜」で収穫される梅は、梅干しや梅酒、梅ワインなどに加工されます。
- 山崎ワイン：市内の山崎ワイナリーで生産される本格ワイン。ブドウの栽培から醸造まで一貫生産され、北海道ワインの先駆的存在です。
- 恐竜漬け：地元で採れるメロンを使ったユニークな漬物。三笠市立博物館の恐竜展示にちなんだネーミングで人気を集めています。
- 黒さんご（きゅうり）：三笠市のみで栽培される特産のキュウリ。漬物やサラダとして人気で、一部はいわみざわ産として出荷されています。
年間イベント
- みかさちびっこ雪まつり（2月）：雪像や滑り台など子供たちが楽しめる催しが中心。冬の雪国ならではの祭典です。
- みかさ梅まつり（5月）：三笠あすか梅の杜で開催されるイベントで、梅の花観賞や梅加工品の販売が行われます。
- 北海盆唄全国大会（7月）：三笠発祥の北海盆唄を競う全国大会。伝統芸能を通じて地域文化を発信しています。
- 三笠北海盆おどり・花火大会（8月）：盆踊りと花火が同時に楽しめる夏の一大イベント。地元住民と観光客が一体となって盛り上がります。
- 桂沢紅葉まつり（10月）：桂沢湖周辺の紅葉を楽しむイベント。特産品販売や自然観察会が行われます。
アクセス方法
- 飛行機：最寄りは新千歳空港。空港から岩見沢経由で三笠市へは車で約1時間半。
- 鉄道：三笠市内には鉄道が廃止されており駅はありません。最寄りはJR函館本線の岩見沢駅または峰延駅で、そこからバスや車を利用します。
- バス：岩見沢駅から三笠市内まで北海道中央バスや市営バスが運行しています。
- 自動車：道央自動車道「三笠IC」で市内に直結。札幌から約60km、車で1時間程度。
観光スポット
- 三笠市立博物館 – アンモナイト化石の所蔵量は日本一。恐竜「エゾミカサリュウ」の化石も展示されており、三笠市の地質学的価値を体感できます。
- 三笠鉄道記念館 – 北海道最初の鉄道「幌内鉄道」に関する資料や車両を展示。鉄道ファン必見の施設です。
- 住友奔別炭鉱跡 – 東洋一と謳われた立坑櫓が現存し、産業遺産として圧倒的な存在感を放っています。
- 桂沢湖 – 北海道初の多目的ダムである桂沢ダムによってできた人造湖。キャンプや釣り、紅葉狩りが楽しめます。
- 達布山展望台 – 市内と夕張山系を一望できる景勝地。古代からアイヌの聖地としても知られています。
