人口 | 4,034 人 |
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面積 | 547.72 km² |
人口密度 | 7.37 人/km² |
北海道南西部、檜山振興局管内の最南端に位置する上ノ国町は、日本海に面した豊かな自然と歴史を併せ持つ町です。古くから和人の定住が確認され、道南十二館のひとつである勝山館跡をはじめ、多くの歴史的遺産が町内に点在しています。夷王山や大千軒岳といった山々、そして天の川や石崎川などの河川が地域を潤し、沿岸部では漁業が、内陸部では農業が営まれています。気候は対馬海流の影響で北海道の中でも比較的温暖で、積雪が少ない反面、風が強く降水量が多いのが特徴です。町では風力発電も導入され、自然と共生する取り組みも進められています。漁業ではスケトウダラやホッケ、スルメイカの水揚げがあり、養殖によるアワビやウニの生産も盛んです。また、農業では野菜や稲作、養豚などが地域経済を支えています。こうした自然や産業に根差した暮らしとともに、歴史や文化が色濃く息づいていることが、上ノ国町の大きな魅力です。
文化・風習
上ノ国町は、古代から和人とアイヌの交流が行われてきた歴史を持ち、現在もその文化的影響を感じられる地域です。中世には「道南十二館」の拠点の一つとして重要な役割を果たし、武田信広や蠣崎氏の活躍によって蝦夷地支配の中心地となりました。町には勝山館跡をはじめとする歴史的遺跡が残り、当時の繁栄を伝えています。江戸時代以降は江差に拠点が移ったものの、神社や寺院、伝統芸能が継承され、現在も地域文化の基盤となっています。 また、町内では「石崎奴」や「大留鹿子舞」といった伝統行事が守られ、無形民俗文化財として保存されています。地域の人々は自然や歴史とともに暮らし、祭りや神事を通じてその結びつきを強めています。代表的な行事として「夷王山まつり」や「上ノ國八幡宮例大祭」があり、伝統神楽や行列が披露され、町の誇りと活気を表現しています。これらの文化・風習は、訪れる人々にとって上ノ国町の独自性を体感できる大切な要素です。地域の暮らしには北海道方言が息づき、長い歴史の中で育まれた風習が日常に取り入れられており、町のアイデンティティを形づくっています。
特産品
- 上ノ国産アワビ・ウニ:海洋牧場による養殖で育てられるアワビやウニは、品質が高く、地域の代表的な海産物として知られています。日本海の恵みを活かした味わいは観光客からも人気です。
- スケトウダラ・ホッケ・スルメイカ:近海漁業で獲れるこれらの魚介類は、地元の食卓を支えるだけでなく、加工品としても出荷され、地域経済に貢献しています。
- 上ノ国産米と野菜:肥沃な土地と温暖な気候を生かした稲作や野菜栽培が盛んで、新鮮で風味豊かな農産物が収穫されます。
- 養豚と乳製品:農業では畜産も盛んで、豚肉や牛乳を使った加工品が地元の特産品として親しまれています。
- ブラックシリカ:天の川上流で産出される鉱石で、遠赤外線効果を持ち、岩盤浴などに利用されることで注目されています。
年間イベント
- 夷王山まつり(6月):山頂からの絶景とともに行われる伝統行事で、町内外から多くの人が訪れます。
- 上ノ國八幡宮例大祭(9月):伝統神楽や徒士行列が披露される町最大の祭事で、歴史ある文化を体感できます。
- 石崎奴の奉納(夏):保存会によって継承される勇壮な演舞で、無形民俗文化財として地域の誇りを伝えています。
- 大留鹿子舞(秋):伝統舞踊として代々受け継がれてきたもので、五穀豊穣を祈る重要な行事です。
- 湯ノ岱温泉冬まつり(2月):温泉街を舞台に雪灯りや地域特産の屋台が並び、冬の観光資源として人気があります。
アクセス方法
- 飛行機:最寄りの空港は函館空港で、全国各地から直行便が就航しています。空港からは車で約90分です。
- 新幹線:北海道新幹線の木古内駅が最寄り駅で、町中心部までは車で約40分です。
- フェリー:青森から函館行きのフェリーを利用し、函館からレンタカーで上ノ国町へ向かうルートが便利です。
- バス:函館や江差方面から函館バスが運行しており、主要施設や役場前までアクセス可能です。
- 車:国道228号線を利用すれば、函館市から約2時間で到達できます。ドライブ観光にも適しています。
観光スポット
- 勝山館跡 – 道南十二館の一つで、戦国期の和人とアイヌの交流を伝える重要な史跡です。
- 夷王山 – 山頂から町並みと日本海を一望できる絶景スポットで、歴史と自然を併せ持つ名所です。
- 湯ノ岱温泉 – 国民保養温泉地に指定される温泉で、旅人に癒しを提供します。
- 上國寺 – 北海道最古と伝えられる古刹で、重要文化財にも指定されています。
- 道の駅上ノ国もんじゅ – 地元の特産品や海産物を購入でき、観光拠点として利用されています。