| 人口 | 10,606 人 |
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| 面積 | 360.46 km² |
| 人口密度 | 29.4 人/km² |
岩手県の中部から北部に位置する岩手町(いわてまち)は、岩手郡に属する町で、盛岡市の北側に隣接する内陸部の自治体です。町の東部には北上山地、西部には奥羽山脈が連なり、その間を北上川が町の中央部を南北に貫流しています。山地・河川・盆地が組み合わさった地形により、農業と自然景観が調和した地域構造を形成しているのが特徴です。
旧沼宮内町を中心に発展してきた岩手町は、古くから交通の要衝として栄え、現在も東北新幹線と在来鉄道が交差する拠点を有しています。町では「わたしたちが創る 笑顔がいっぱい いわてまち」をキャッチフレーズに掲げ、人工芝ホッケー競技場を核としたホッケー振興や、石神の丘美術館を中心とした彫刻文化の発信に力を入れています。自然・文化・スポーツが共存する、落ち着いた生活環境を備えた町として評価されています。
歴史
岩手町の地域は、近世には南部藩の支配下にあり、奥州街道沿いの宿場町として発展してきました。1889年の町村制施行により沼宮内町や周辺村が成立し、その後も農業と商業を基盤とした地域社会が形成されました。
1955年(昭和30年)7月21日、沼宮内町・一方井村・川口村・御堂村の4町村が合併し、現在の岩手郡岩手町が発足しました。合併後は行政機能の集約と生活基盤の整備が進められ、町域全体としての一体的な発展が図られてきました。高度経済成長期以降は人口減少という課題に直面しつつも、交通結節点としての機能や文化・スポーツ振興を軸に、持続可能な町づくりが進められています。
文化・風習
岩手町では、北上山地と奥羽山脈に囲まれた内陸文化を背景に、農村文化と地域行事が大切に受け継がれてきました。町の文化的象徴の一つが、石神の丘美術館を中心とする彫刻文化です。屋外展示を含む美術館では、自然景観と現代彫刻が融合した空間が形成され、町の景観づくりにも寄与しています。
また、岩手町はホッケー競技の振興にも力を入れており、人工芝ホッケー場を拠点に、全国大会の開催や競技人口の育成が行われています。これらの文化・スポーツ活動は、町民の交流や地域アイデンティティの醸成に重要な役割を果たしています。四季の変化が明瞭な気候の中で、自然とともに暮らす生活文化が今も息づいています。
特産品
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岩手町産キャベツ:
高冷地の冷涼な気候を生かして栽培されるキャベツは、甘みが強く歯切れの良さが特徴。町内外の市場に出荷されるほか、学校給食や地元飲食店でも広く利用されている。
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岩手町産レタス:
夏季でも品質が安定する高原野菜として評価が高い。みずみずしさとやわらかな食感が特徴で、首都圏向けの業務用需要も多い。
岩手町のレタス産地を見る -
りんどう(花卉):
岩手町は岩手県内有数のりんどう産地として知られ、切り花は県内外へ出荷されている。夏から秋にかけて出荷の最盛期を迎え、仏花・贈答用として需要が高い。
岩手町のりんどう産地を見る -
岩手町産米:
北上川流域の肥沃な土壌と昼夜の寒暖差を生かして栽培される水稲は、安定した品質を持つ。主に県内消費向けだが、直売所などで購入することもできる。
岩手町の水田地帯を見る -
加工品(漬物・農産加工品):
地元野菜を活用した漬物や農産加工品が、道の駅などで販売されている。大量生産ではなく、地域資源を生かした小規模加工が中心で、土産品としても親しまれている。
道の駅 石神の丘
移住・暮らし情報
- 生活利便性:町の中心部である沼宮内地区には、スーパー、金融機関、医療機関、行政施設が集約されている。盛岡市中心部へも車や鉄道でアクセス可能で、日常生活と都市機能の両立がしやすい。
- 子育て環境:町内に複数の小学校・中学校が配置され、地域密着型の教育環境が整っている。自然体験の機会が多く、落ち着いた環境で子育てができる点が特徴。
- 医療:町内の医療機関に加え、盛岡市の総合病院へのアクセスが確保されている。詳細は岩手町公式サイトの医療機関案内を参照。
- 住宅事情:比較的地価が安定しており、戸建住宅を中心とした住宅地が形成されている。自然環境に近い住環境を求める世帯に適している。
- 暮らしの特徴:豪雪地帯に属するため冬季の雪対策は必要だが、地域全体での除雪体制が整っており、四季を感じる暮らしが可能。
気候・生活環境
- 内陸性気候で、夏と冬の寒暖差が大きい。
- 冬季は積雪量が多く、特に山間部では雪深くなる。
- 夏季は比較的冷涼で、過ごしやすい日が多い。
- 北上川や周囲の山々が、日常の景観と生活環境を形づくっている。
地域ごとの特徴(エリア別)
- 沼宮内地区:町の行政・商業の中心地。いわて沼宮内駅があり、鉄道・新幹線利用の拠点となっている。
- 川口地区:北上川沿いに広がる地域で、岩手川口駅を中心に集落が形成されている。
- 一方井地区:農地と集落が混在する地域で、落ち着いた農村景観が広がる。
- 御堂地区:町の南部に位置し、山地と平地が接する自然豊かなエリア。
アクセス
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鉄道:
東北新幹線:いわて沼宮内駅
IGRいわて銀河鉄道:岩手川口駅 − いわて沼宮内駅 − 御堂駅 - 道路: 国道4号、国道281号
- バス:岩手県北自動車、ジェイアールバス東北、町営コミュニティバス「あいあいバス」が運行。
