| 人口 | 4,687 人 |
|---|---|
| 面積 | 134.02 km² |
| 人口密度 | 35 人/km² |
岩手県北部、九戸郡に属する九戸村(くのへむら)は、北上山地の北端部に位置する内陸の村です。村域は山地と丘陵に囲まれ、中央部を瀬月内川が南北に流れる谷底平野を軸に集落と農地が形成されています。平野部は限られるものの、山林と農地が調和した落ち着いた景観が広がり、古くから農林業を基盤とした暮らしが営まれてきました。
1955年(昭和30年)に戸田村・伊保内村・江刺家村が合併して成立した九戸村は、現在も旧村ごとの生活圏を基礎に、地域コミュニティが維持されています。鉄道は通っていませんが、二戸市に隣接する地理条件を生かし、通勤・通学や物流の面で近隣都市との結びつきも強い村です。自然環境と生活が密接に結びついた、静かで堅実な地域として評価されています。
歴史
九戸村一帯は、近世には南部藩の支配下にあり、北上山地北部の農村地帯として発展してきました。1889年(明治22年)の町村制施行により、戸田村・伊保内村・江刺家村の3村が成立し、それぞれが農業と山林資源を基盤とした村落社会を形成しました。1897年には北九戸郡と南九戸郡が合併し、九戸郡が成立しています。
1955年(昭和30年)4月1日、3村の合併によって九戸村が発足し、行政機能の集約とともに生活基盤の整備が進められました。戦国期に九戸政実を輩出した九戸氏ゆかりの地名でもありますが、九戸城自体は現在の二戸市に所在し、村内では熊野館跡が有力な中世拠点跡とされています。近年は人口減少という課題を抱えつつも、地域資源を生かした持続的な村づくりが続けられています。
文化・風習
九戸村では、山間農村としての生活文化と、地域行事が今も大切に受け継がれています。集落単位での結びつきが強く、祭事や共同作業を通じた相互扶助の文化が特徴です。農作業の節目や年中行事に合わせた地域行事は、世代を超えた交流の場として機能しています。
また、村の自然環境と深く結びついた文化として、折爪岳周辺に生息するヒメボタルの保全活動が挙げられます。村民有志による環境整備と観賞会の運営により、全国的にも知られる存在となりました。自然を守りながら地域の魅力として発信する姿勢は、九戸村の文化的特徴の一つとなっています。
特産品
- 甘茶: 九戸村は、日本でも有数の甘茶(アマチャ)の産地として知られています。薬用・飲用として利用される甘茶は、村内の冷涼な気候と山間地の環境に適しており、品質の高さが評価されています。
- 木炭: 広大な山林資源を背景に、九戸村では古くから木炭生産が行われてきました。岩手県内でも主要な産地の一つで、伝統的な製炭技術が現在も受け継がれています。
- ブロイラー: 九戸村は岩手県内でも養鶏が盛んな地域で、ブロイラー生産が地域産業の柱となっています。周辺地域と連携した生産体制により、安定した供給が行われています。
- 農産物加工品: 地元農産物を活用した加工品が、道の駅おりつめオドデ館などで販売されています。地域色のある土産品として親しまれています。
移住・暮らし情報
- 生活環境:村の中心である伊保内地区には、役場、金融機関、商店、医療機関が集約されており、日常生活に必要な機能が確保されています。
- 子育て・教育:九戸村立九戸小学校、九戸村立九戸中学校があり、地域に根ざした教育が行われています。
- 医療:村内の診療所に加え、隣接する二戸市の医療機関を利用する体制が整っています。
- 住宅事情:持ち家率が高く、自然に囲まれた住環境を求める世帯に適しています。
- 冬季生活:積雪地域であるため除雪体制が重要ですが、地域全体で対応が行われています。
気候・生活環境
- 内陸性気候で、冬は寒さが厳しく積雪量が多い。
- 夏は比較的冷涼で、昼夜の寒暖差が大きい。
- 山林と河川が生活環境と密接に関わっている。
地域ごとの特徴(エリア別)
- 伊保内地区:村役場や商業施設が集まる行政・生活の中心地。
- 江刺家地区:農地と集落が広がる農業地域。
- 戸田地区:山林が多く、林業と農業が営まれてきた地域。
アクセス
- 鉄道: 村内に鉄道路線はなく、最寄り駅は二戸駅(東北新幹線・IGRいわて銀河鉄道)。
- バス: 岩手県北自動車、JRバス東北が周辺地域と結んでいます。
- 道路: 八戸自動車道(九戸IC)を利用し、二戸市・八戸方面へアクセス可能。国道340号や県道が村内交通を支えています。
観光スポット
- 折爪岳 — 村を代表する山で、夏にはヒメボタルの群生地として全国的に知られています。
- 道の駅おりつめオドデ館 — 特産品販売や観光案内の拠点施設。
- 熊野館跡 — 中世の拠点とされる歴史的地点。
