| 人口 | 53,984 人 |
|---|---|
| 面積 | 182.46 km² |
| 人口密度 | 296 人/km² |
岩手県の西部に位置する滝沢市は、盛岡都市圏を形成する重要なエリアであり、岩手山の雄大な山麓を抱える自然豊かな地域です。市の東側には北上川、西側には雫石川が流れ、古くから農村地帯として発展してきました。1970年代以降は盛岡市のベッドタウンとして宅地開発が進み、2000年には人口5万人を突破。2014年(平成26年)1月1日には滝沢村から単独市制で滝沢市となり、日本で人口が最も多い「村」から、市として新たな歴史を歩み始めました。現在は安定した人口推移を保ち、県内でも成長率が最も高い自治体として知られています。 市内には岩手山を活かした自然環境、古くから伝わる祭り、南部曲がり屋などの歴史文化、岩手県立大学を中心とした学術拠点など、暮らしと文化が調和した魅力が広がっています。また、全国的に有名な「チャグチャグ馬コ」をはじめ、四季折々の伝統行事が今も地域に根付き、訪れる人々を魅了しています。盛岡市に隣接する利便性と、自然と文化が息づく穏やかな生活環境が共存していることが、滝沢市の大きな特徴です。
文化・風習
滝沢市は、長く農村地帯として栄え、岩手山の山麓に広がる自然の中で独自の文化が育まれてきました。最も代表的なのは、毎年6月に行われる伝統行事「チャグチャグ馬コ」です。色鮮やかな装束をまとった馬が鈴の音を響かせながら練り歩く姿は、国の重要無形民俗文化財に指定され、「日本の音風景100選」にも選ばれた全国的な名行事です。また、市内には南部地方の古民家建築である「南部曲がり屋」が現存し、農業と馬の文化が密接に結びついた生活様式を今に伝えています。 さらに、盛岡市に隣接する立地から都市圏の利便性を享受しながらも、伝統的な地域行事や農村文化が大切にされ、市民の生活に深く根付いています。冬は積雪が多く、周辺の岩手山山麓ではスキーなどのウィンターアクティビティが盛んです。また、岩手県立大学や盛岡大学などが立地することから学術文化が栄え、若者人口も多いのが特長です。自然・祭り・歴史文化・学術が調和することで、滝沢市独自の文化風土が形づくられています。
特産品
- 滝沢スイカ:滝沢市の代表的な農産物で、大玉で甘みが強いことで知られています。市内にはスイカ柄のガスホルダーもあり、地域の象徴となっています。
- 滝沢産りんご:岩手山麓の寒暖差を生かした高品質なりんごが生産され、市内外で高い評価を受けています。
- 小岩井農場の乳製品:市内南部に位置する小岩井地区には小岩井農場(正門・多くの施設は雫石町側)があり、バター・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品が観光客にも人気です。
- 滝沢産野菜:キャベツ、トマト、ほうれん草など多様な野菜が栽培され、盛岡都市圏の食を支えています。
年間イベント
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チャグチャグ馬コ:
毎年6月第2土曜日に開催される岩手県を代表する伝統行事。馬たちの鈴の音「チャグチャグ」が名称の由来で、国の重要無形民俗文化財。 蒼前神社(スタート地点) -
滝沢市産業まつり:
地元農産物や市の産業を紹介する秋の大規模イベント。市民や観光客が集まり賑わう。 -
岩手県立大学・大学祭:
市内の学生文化を象徴するイベントで、地域住民も参加できる人気の祭り。 -
滝沢市冬まつり:
雪国らしい冬のイベントで、イルミネーションや雪灯籠が楽しめる。
アクセス方法
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飛行機:
最寄り空港はいわて花巻空港(滝沢市から車で約45分)。全国主要都市からの便があり、空港からはバスまたは車で滝沢市へアクセス可能。 -
電車:
JR田沢湖線の小岩井駅・大釜駅、IGRいわて銀河鉄道の滝沢駅が市内にあり、盛岡駅へのアクセスも良好。 -
バス:
岩手県交通・県北バスにより盛岡市中心部から市内各地へ多数運行。県立大学線など学生利用が多い路線も充実。 -
車:
東北自動車道の滝沢IC・滝沢中央SICから市内へアクセス可能。盛岡市街へは約10〜20分。
観光スポット
- 蒼前神社 – チャグチャグ馬コの出発地で、馬の守り神として知られる歴史的神社。
- 南部曲がり屋(籠屋敷) – 馬と暮らしてきた南部地方特有の古民家。築450年の家屋も現存。
- ビッグルーフ滝沢 – 図書館・ホール・観光案内を兼ねた複合施設。
- 岩手県立大学 – 公立大学として地域の学術拠点となるキャンパス。
- 岩手山 – 市北西部にそびえる「南部片富士」。登山や自然散策が人気。
