| 人口 | 27,099人 |
|---|---|
| 面積 | 67.32 km² |
| 人口密度 | 403人/km² |
岩手県のほぼ中央に位置する矢巾町(やはばちょう)は、紫波郡に属する町で、県都・盛岡市の南側に隣接する内陸部の自治体です。北上川と奥羽山脈に挟まれた北上低地の一角にあり、町域の多くは平坦で、古くから稲作を中心とした農業が営まれてきました。盛岡市中心部から約10kmという近接性から、近年は住宅地や商業施設の整備が進み、盛岡都市圏の南の玄関口としての役割を担っています。
町内には南昌山や徳丹城跡、幣懸の滝、矢巾温泉など、自然・歴史・文化を感じられる資源が点在し、生活利便性と落ち着いた田園環境が共存している点が大きな特徴です。岩手医科大学矢巾キャンパスおよび附属病院の移転により、医療・教育拠点としての性格も強まり、人口増加が続く数少ない自治体として注目されています。
歴史
矢巾町の地域には縄文時代から人々が暮らしていた痕跡があり、和味地区の月が森遺跡や白沢地区の白沢森遺跡など、大規模な遺跡が確認されています。平安時代初期の813年(弘仁4年)には、坂上田村麻呂によって徳丹城が築かれ、北方防衛と統治の拠点として重要な役割を果たしました。
近世には南部藩領として農業が発展し、1599年には鹿妻穴堰の開削によって灌漑が進み、現在の穀倉地帯の基盤が形成されました。1889年の町村制施行後、複数の村が成立し、1955年に煙山村・徳田村・不動村が合併して矢巾村が誕生、1966年に町制施行により矢巾町となりました。平成以降は盛岡市との合併を選択せず、独立した自治体として発展を続けています。
文化・風習
矢巾町では、農村文化を基盤とした地域行事や共同体意識が今も色濃く残っています。稲作を中心とした年中行事や地域の祭礼は、世代を超えて受け継がれてきました。文化施設としては、岩手県内初の本格的音楽ホールである矢巾町文化会館「田園ホール」が象徴的存在で、町民による舞台公演や音楽イベントが定期的に開催されています。
また、町はプロレス団体「みちのくプロレス」旗揚げの地として知られ、矢巾町民総合体育館は現在もビッグマッチ会場として使用されています。こうした文化・スポーツ活動は、町の知名度向上と地域アイデンティティの形成に大きく寄与しています。
特産品
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徳田米:
北上低地の肥沃な土壌と安定した水資源を生かして栽培される米で、古くから品質の高さで知られています。主に県内消費向けですが、直売所などで購入可能です。
徳田地区の位置を見る -
麦・大豆:
水田転作を活用した麦・大豆の生産も盛んで、県内の食品加工原料として利用されています。輪作による安定した農業経営が特徴です。
矢巾町の農地を見る -
農産加工品:
地元産農産物を活用した味噌、漬物、加工食品が町内直売施設などで販売されており、地域資源を生かした商品づくりが行われています。
やはぱーく
移住・暮らし情報
- 生活利便性:国道4号や県道13号沿いに商業施設が集積し、盛岡市中心部へも短時間でアクセス可能です。
- 子育て環境:町内に複数の小中学校が配置され、地域に根ざした教育環境が整っています。
- 医療:岩手医科大学附属病院が立地し、高度医療へのアクセスが確保されています。
- 住宅事情:比較的地価が安定しており、戸建住宅を中心とした住宅地が形成されています。
- 暮らしの特徴:盛岡近郊でありながら、田園風景に囲まれた落ち着いた生活環境が魅力です。
気候・生活環境
- 内陸性気候で、夏は暑く冬は寒いが比較的穏やか。
- 降雪はあるものの、豪雪地帯ほどではない。
- 平野部が多く、生活動線が確保しやすい。
地域ごとの特徴(エリア別)
- 矢幅駅周辺:交通と商業の中心地。矢幅駅を核に市街地が形成されています。
- 徳田地区:農業が盛んな地域で、徳田米の産地として知られています。
- 煙山地区:工業団地や物流施設が立地するエリアです。
アクセス
- 鉄道: JR東北本線:矢幅駅
- 道路: 国道4号、東北自動車道 矢巾スマートIC
- バス:岩手県交通、町営循環バスが運行。
