人口 | 2,793 人 |
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面積 | 644.54 km² |
人口密度 | 4.33 人/km² |
北海道上川郡に位置する下川町(しもかわちょう)は、北見山地と天塩山地に囲まれた内陸の名寄盆地に広がる自然豊かな町です。かつて鉱業や林業で栄えた歴史を持ち、1960年には人口1万5千人を超えるほどの活気を見せました。しかし鉱山の閉鎖とともに過疎化が進行し、現在は森林資源を活用した「持続可能な地域づくり」で全国的に注目されています。特にバイオマスを利用した再生可能エネルギー事業や森林循環型経営は国内外から高い評価を受け、2017年には国連のSDGsに基づく「ジャパンSDGsアワード」総理大臣賞を受賞しました。さらに、冬季スポーツの町としても知られ、町内のジャンプ台からは多くのオリンピック選手が輩出されています。自然と共生しながら持続可能な暮らしを模索し続ける下川町は、小規模ながらも力強い町の姿を体現しています。
文化・風習
下川町の文化は、開拓時代から受け継がれる勤勉さと、アイヌ文化の影響、そして森林と共生する生活様式が融合して形作られています。鉱山労働者として各地から集まった人々がもたらした多様な文化と、林業を基盤とする暮らしが長年にわたり町の特色となってきました。また、近年は「環境未来都市」として全国的に注目され、森林を活用した循環型社会のモデルとしての側面が文化の一部を構成しています。 言葉の面では北海道方言が使われ、地元には古くからの民俗芸能や郷土芸能が伝えられています。例えば「上名寄郷土芸能」では、麦や節や郡上節といった伝統の踊りや歌が保存会によって守られ、地域の誇りとなっています。また、冬の厳しい寒さを逆手に取った「アイスキャンドルミュージアム」では、住民が作る数千もの氷の灯籠が幻想的な風景を生み出し、町民の連帯感と独創性を象徴する文化行事となっています。 下川町はまた、スキージャンプやクロスカントリーといった冬季スポーツ文化が強く根付いており、町民栄誉賞を受賞したオリンピック選手も数多くいます。自然を尊び、四季を楽しむ祭りや行事は、町民の暮らしと深く結びついており、訪れる人々に温かな魅力を伝えています。
特産品
- トマト: 下川町は高糖度のトマト栽培で有名です。ジュースやケチャップなどの加工品としても人気があり、特に完熟トマトジュースは町を代表する特産品です。
- 手延べ麺: 兵庫県から伝わった技術をもとに1970年代から生産が始まった伝統の製麺。うどんや素麺、ひやむぎなどがあり、コシの強さと風味が特徴です。
- 木工製品: 森林資源を生かした木工品は、家具や生活雑貨として親しまれています。地域の林業と工芸文化の融合が生んだ特産です。
- エネルギー由来製品: バイオマス利用による木質ペレットや関連製品も町の特色ある産品となっており、持続可能な暮らしを象徴する商品です。
- もち米・小麦・そば: 名寄盆地の肥沃な土壌を生かした農産物も豊富で、地元で収穫されるもち米やそば粉は特産品として広く流通しています。
年間イベント
- アイスキャンドルミュージアム(2月): 氷と雪の灯りが町を幻想的に彩るイベントで、全国から多くの観光客が訪れます。
- 万里長城祭(5月): 下川町に築かれた「ミニ万里の長城」を舞台に行われるお祭り。地元の特産品販売やパレードなどで賑わいます。
- うどん祭り(8月): 町の特産である手延べ麺を楽しむ食の祭典。観光客と町民が一緒に食文化を味わう場として人気です。
- 万里長城クロスカントリー大会(5月): 森林資源を活かしたクロスカントリーコースを走るスポーツイベントで、自然と運動を楽しめます。
- 全道ノルディックスキー大会(12月): 北海道内から選手が集まり、冬の下川を舞台に白熱した競技が行われます。
アクセス方法
- 飛行機: 最寄りの空港は旭川空港(東神楽町)で、町まで車で約2時間。紋別空港からもアクセス可能です。
- 鉄道: 現在町内に鉄道路線はありません。最寄りの駅は名寄市の JR名寄駅 です。
- バス: 名寄駅から名士バスが下川町方面へ運行しており、町内の主要拠点に停車します。
- 自動車: 国道239号を利用して名寄市から約30分。札幌からは約3時間半の距離です。
観光スポット
- ミニ万里の長城 – 町のシンボル的観光施設で、町民の手で築かれた石の長城。散策路として人気。
- 五味温泉 – 発見から100年以上の歴史を持つ温泉で、森林浴とあわせて楽しめる癒しの場。
- 札天山収蔵館 – 下川町の郷土資料を展示する施設で、歴史と文化を学べます。
- 下川スキー場とジャンプ台 – オリンピック選手を数多く輩出した町の誇り。冬季は多くのスキー愛好者で賑わいます。
- ガーデニング・フォレスト フレペ – 花と緑があふれる複合施設で、町民や観光客の憩いの場。