| 人口 | 2,354 人 |
|---|---|
| 面積 | 250.13 km² |
| 人口密度 | 9.41 人/km² |
北海道上川郡に位置する愛別町（あいべつちょう）は、上川盆地の北東端にあり、石狩川と愛別川の合流地点に広がる自然豊かな町です。町名はアイヌ語の「アイペッ（矢・トゲ・川）」に由来し、流れの速い川や、トゲのある植物イラクサを意味するとされています。開拓の歴史を背景に発展したこの町は、1895年に和歌山・岐阜・愛知からの入植者により開基され、鉄道の開通とともに上川地方の交通拠点として成長しました。現在では「きのこの里」として全国的に知られ、エリンギ、シイタケ、マイタケなどの栽培が盛んに行われています。町の8割が山林に覆われ、農業と林業が共存する自然と調和した地域社会を形成しています。厳しい冬の寒さを乗り越えながらも、豊かな自然と共に生きる町民の暮らしには、北海道らしいあたたかさと素朴な魅力が息づいています。四季折々の美しい風景、地元の食材を使った郷土料理、そして人々の温かい交流が、訪れる人々の心を和ませるのです。
文化・風習
愛別町は、開拓期からの努力と自然との共生によって形づくられた文化が今も息づいています。町の象徴的な行事として、町民が手作業で巨大なしめ縄を編み上げる「愛別神社ジャンボしめ縄」があります。長さ約8メートル、重さ600kgにもなるこのしめ縄は年末に神社の鳥居へ掲げられ、年越しから翌年の夏祭りまで町の平安を祈る象徴として吊るされています。また、町内では「きのこの里フェスティバル」など地場産業にちなんだイベントが開催され、地元産きのこを使った料理が並びます。 方言は北海道弁が中心で、言葉遣いにも地域の温かさがにじみます。冬季には厳しい積雪に見舞われますが、その環境を楽しむ「愛別冬まつり」や雪灯りイベントが行われ、地域のつながりを深める場にもなっています。町民は互いの絆を大切にし、子どもが生まれると昼に花火を鳴らして祝う「ハッピー・ボーン」という伝統もあります。これらの風習は、愛別町ならではの温もりある文化として長く受け継がれています。
特産品
- 愛別きのこ：「きのこの里」として全国的に知られ、エリンギ・シイタケ・マイタケ・ナメコなど多様な種類が生産されます。特に愛別産のエリンギは肉厚で香り高く、札幌などの市場でも人気があります。
- 愛別米：石狩川の清流と肥沃な土地で育まれるお米は、甘みと粘りのバランスが良い「ななつぼし」や「ゆめぴりか」が主流。冷涼な気候が美味しさを引き立てています。
- 愛別アスパラガス：春の名物で、柔らかく甘みが強いアスパラガスは地元直売所でも人気。露地栽培のため香りが高く、全国に出荷されています。
- 愛別ハチミツ：町内の自然林や花畑で採れるハチミツは、季節ごとに風味が異なり、百花蜜として販売されています。地域の自然を味わう逸品です。
- 乳製品：上川地域特有の豊かな牧草地で育った牛から搾られる生乳を用いたチーズやヨーグルトは、コク深くクリーミーな味わいが特長です。
年間イベント
- 愛別春まつり（5月） – 新緑の季節を祝う行事で、地元のグルメ屋台や音楽イベントが開催されます。
- きのこの里フェスティバル（9月） – 町の一大イベントで、きのこ料理の販売やステージショーなど、多くの観光客で賑わいます。
- 愛別夏祭り・花火大会（7〜8月） – 盆踊りや夜空を彩る花火が魅力。地元商店街も夜店で盛り上がります。
- 愛別秋まつり（10月） – 新米や秋野菜の販売、収穫感謝の催しが行われ、地域の農業の恵みを感じられます。
- 愛別冬まつり（2月） – 雪像や氷のすべり台が設けられ、夜にはライトアップも行われる冬の風物詩です。
アクセス方法
- 飛行機：最寄り空港は旭川空港で、東京（羽田）から約1時間40分。空港から車で約50分。
- 鉄道：JR愛別駅（石北本線）を利用。旭川駅から特別快速で約35分。
- 高速道路：愛別IC（旭川紋別自動車道）を利用。札幌から約2時間半、旭川からは約40分。
- バス：道北バスが旭川駅前〜上川町方面へ運行し、愛別町中心部を経由します。
- 自動車：札幌から国道39号・道央自動車道経由で約180km。ドライブにも最適なルートです。
観光スポット
- 協和温泉 – 源泉かけ流しの湯と田園風景が楽しめる天然温泉。
- きのこの里あいべつオートキャンプ場 – 町の自然を満喫できるキャンプスポットで、家族連れにも人気。
- 旭川国際カントリークラブ – 緑豊かな全18ホールの本格ゴルフコース。
- 中井延也石の彫刻公園 – 彫刻家・中井延也の作品が野外に展示された公園で、芸術と自然が融合しています。
- 石垣山 – 標高525mの山で、ロッククライミングや登山客に人気。山頂からは上川盆地を一望できます。
- 愛別神社 – 毎年ジャンボしめ縄が飾られる町の信仰の中心。
