| 人口 | 6,437 人 |
|---|---|
| 面積 | 109.48 km² |
| 人口密度 | 58.8 人/km² |
北海道南西部、檜山振興局の中心として日本海に面する江差町(えさしちょう)は、古くから北海道の玄関口として栄えてきた歴史ある町です。江戸時代には北前船の寄港地として繁栄し、「江差の五月は江戸にもない」と称されるほど賑わいました。幕末には箱館戦争の舞台となり、開陽丸沈没の地としても知られています。現在では、漁業と観光が町の経済を支え、海産物や伝統文化が息づく美しい港町として発展しています。町を訪れれば、古い街並みを歩きながら、海風に揺れる暖簾や古民家を活かしたカフェなど、どこか懐かしい情景に出会えるでしょう。自然豊かな環境では、海釣りやハイキング、夏の海水浴から冬の雪景色まで、四季折々の魅力を体感できます。
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文化・風習
江差町は、北海道の中でも最も早くから発展した歴史を持ち、古くからの伝統や文化が今も色濃く残る地域です。特に、北前船の寄港地として栄えた江戸期には、交易によって多くの文化が行き交いました。その名残が「江差追分(えさしおいわけ)」に代表されます。江差追分は北海道民謡の代表格で、全国大会も毎年開催されるなど、町の象徴的な存在です。また、町内では北海道最古の祭りとされる「姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)」が毎年8月に行われ、絢爛豪華な山車が町を練り歩きます。この祭りは国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
町の方言「江差弁」もユニークで、アイヌ語や古い日本語の影響を受けた柔らかい響きを持ちます。町の人々は伝統を大切にしながらも、現代的な観光や文化活動にも積極的で、古民家を再利用したカフェやギャラリーが立ち並ぶ「いにしえ街道」は、観光客に人気のスポットです。江差町の文化は、自然と歴史、そして人々の温かさが調和した美しい生活文化として今も息づいています。
特産品
- 江差昆布: 寒流と暖流が交わる江差沖で育つ昆布は肉厚で柔らかく、風味豊かな旨味が特徴。出汁用として全国の料理人にも高く評価されています。
- ホタテ: 日本海の豊かな海域で育つホタテは、身が厚く甘みが強いのが特徴。地元では刺身や浜焼きとして提供され、道の駅や市場でも人気です。
- 江差ネギまんじゅう: 江差町の特産ネギを使用したユニークな和菓子。ほんのり甘い生地にネギの香りが広がる、お土産にも人気の一品です。
- ヒノキアスナロ蜂蜜: 江差の天然林に自生するヒノキアスナロの花蜜から採れる蜂蜜。爽やかな香りとまろやかな甘さが特徴で、限定生産の希少品です。
- 江差にしん製品: かつて「ニシン御殿」で知られた江差の名産。現在も干物や甘露煮などが特産品として人気を博しています。
年間イベント
- 姥神大神宮渡御祭(8月上旬): 姥神大神宮 を中心に開催される北海道最古の祭り。13台の山車が街を練り歩き、夜には提灯の灯りが幻想的な雰囲気を演出します。
- 江差かもめ島まつり(7月): かもめ島 周辺で行われる夏の祭典。海水浴、ステージイベント、花火大会が楽しめ、家族連れに人気です。
- 江差追分全国大会(9月): 江差追分会館 にて開催。全国から民謡歌手が集まり、美声を競い合います。
- 春のいにしえ夢まつり(5月): いにしえ街道を中心に開催される春の祭りで、町並みを活かしたパレードや露店が並びます。
- 江差冬まつり(2月): 雪と光がテーマの冬イベント。雪灯篭やイルミネーションが町を彩り、温かい郷土料理の販売も行われます。
アクセス方法
- 飛行機: 函館空港 から江差町までは車で約1時間30分。レンタカーやバスが利用可能です。
- 鉄道: JR新函館北斗駅からはバスまたはレンタカーで約2時間。現在、江差線は廃止されています。
- バス: 函館駅 から函館バス江差行きで約2時間30分。
- フェリー: 江差港 から奥尻島へのハートランドフェリーが運航しています。
- 自動車: 札幌から道央自動車道・国道5号・国道227号経由で約5時間30分。函館からは国道228号で約2時間。
観光スポット
- いにしえ街道 – 江戸時代の面影を残す石畳と古民家が並ぶ歴史的通り。カフェや土産店も充実しています。
- かもめ島 – 江差港の沖に浮かぶ島で、遊歩道から望む夕日は絶景。キャンプ場や海水浴場も併設されています。
- 開陽丸記念館 – 幕末の軍艦「開陽丸」を原寸大で復元した記念館。艦内では江差の歴史や戊辰戦争の資料を展示。
- 姥神大神宮 – 1216年創建と伝わる北海道最古の神社。豪華な山車祭りで知られます。
- 旧中村家住宅 – 国の重要文化財に指定された江差の商家建築。江戸期の生活を伝える貴重な建物です。
