| 人口 | 5,807人 |
|---|---|
| 面積 | 472.65 km² |
| 人口密度 | 12.3 人/km² |
北海道北部、日本海に面する羽幌町(はぼろちょう)は、豊かな自然と歴史、そして人々の温かな暮らしが調和する町です。かつて羽幌炭鉱で栄えたこの地は、炭鉱閉山後も漁業と農業を中心に再生を遂げ、現在では甘えびやホタテなどの海産物、オロロン米やアスパラガスといった農産物で全国的に知られています。町のシンボルでもある「天売島」と「焼尻島」は、美しい自然と海鳥の繁殖地としても有名で、環境省の指定する「暑寒別天売焼尻国定公園」に含まれています。羽幌の人々は自然と共生しながら、アイヌ文化と開拓時代の精神を今に伝えています。北海道方言が響く日常や、古くから続く郷土芸能、そして地域の祭りなどが町の暮らしに息づき、訪れる人々に深い温もりと懐かしさを感じさせてくれます。甘えびを使った料理や特産のメロン、焼尻めん羊など、地元食材の魅力も満載で、食・自然・文化が一体となった羽幌町は、北海道の中でもひときわ個性的な存在として輝いています。
文化・風習
羽幌町は、かつてアイヌ民族が暮らした土地であり、地名もアイヌ語の「ハポロペッ(ha-poro-pet)」に由来すると言われています。昭和期には羽幌炭鉱を中心に急速に発展し、最盛期には3万人を超える人口を擁しました。現在は炭鉱遺構が観光資源として整備され、かつての繁栄の面影を今に伝えています。町の文化として特筆されるのが、富山県や石川県からの入植者によってもたらされた獅子舞文化で、「羽幌加賀獅子舞」「平越中獅子舞」「羽幌越中赤坂奴舞」などが町指定無形文化財として継承されています。7月の羽幌神社祭ではこれらの舞が奉納され、町全体が熱気に包まれます。また、羽幌町は自然保護にも熱心で、特に「北海道海鳥センター」では天売島のウトウやオロロン鳥の保護活動が行われています。自然と文化、そして人の営みが一体となっているのが羽幌町の魅力です。
特産品
- 羽幌甘えび: 日本有数の漁獲量を誇る羽幌の代表的海産物。ぷりっとした食感と濃厚な甘みで知られ、「羽幌えびしおラーメン」や「えびタコ餃子」などのご当地グルメにも活かされています。
- 焼尻めん羊: 焼尻島で放牧飼育されるサフォーク種の羊。澄んだ空気と潮風に育まれた赤身肉は柔らかく、全国的に高級ブランドとして人気です。
- オロロン米: 羽幌町と周辺地域で生産される良質な北海道米。清流と肥沃な大地に育まれ、粘りと甘みが特徴です。
- グリーンアスパラガス: 羽幌の春の味覚。昼夜の寒暖差が大きい土地で育ち、濃い甘みと柔らかさを誇ります。
- ねばり長いも・羽幌メロン: 甘みが強く粘りのある長いも、芳醇な香りを持つメロンも町の農産物として人気です。
年間イベント
- 甘えび祭り(6月下旬):羽幌港で開催される初夏の人気イベント。新鮮な甘えびの即売や料理コーナー、ステージショーが行われます。
- はぼろバラフェスティバル&グルメ市(7月中旬):北北海道最大級の「はぼろバラ園」で開催され、満開のバラと地元グルメが楽しめます。
- 海鳥フェスティバル(7月中旬):環境省主催。天売島・焼尻島の海鳥保護をテーマにした展示や観察会が開かれます。
- 焼尻めん羊まつり(8月上旬):焼尻島で行われる伝統行事。めん羊グルメの販売や羊毛体験など、島の魅力を満喫できます。
- 羽幌秋祭り(10月中旬):収穫を祝う秋の祭典で、商店街を中心に神輿やパレードが行われます。
アクセス方法
- 飛行機: 最寄り空港は旭川空港(または稚内空港)で、空港から沿岸バスを利用して約3時間半。札幌経由の場合は高速バス(特急はぼろ号)が便利です。
- バス: 札幌駅前ターミナルから羽幌行き「特急はぼろ号」が毎日運行。所要約4時間30分で羽幌ターミナルへ直行します。
- 車: 札幌から国道232号(日本海オロロンライン)経由で約4時間半。留萌市から約1時間、稚内からは約3時間です。
- フェリー: 羽幌港から天売島・焼尻島への定期航路が運航されています(羽幌沿海フェリー)。観光客にも人気のルートです。
観光スポット
- はぼろバラ園 – 北北海道最大級のバラ園。約2,000株のバラが咲き誇る絶景スポットです。
- 北海道海鳥センター – 天売島のオロロン鳥など、海鳥保護の拠点。展示や観察体験が充実しています。
- はぼろ温泉サンセットプラザ – 日本海に沈む夕日を眺めながら入浴できる温泉ホテル。観光拠点として人気です。
- 羽幌町郷土資料館 – 羽幌炭鉱の歴史や開拓時代の資料を展示。町の歩みを知ることができます。
- 羽幌港 – 天売島・焼尻島への玄関口。フェリーの発着地として、観光の拠点となっています。
