| 人口 | 1,392人 |
|---|---|
| 面積 | 82.27 km² |
| 人口密度 | 16.9 人/km² |
北海道後志総合振興局管内の古宇郡に属する泊村（とまりむら）は、日本海に面した静かな漁村であり、北海道で唯一の原子力発電所「北海道電力泊原子力発電所」が立地する地域としても知られています。村名の由来は、アイヌ語の「モイレ・トマリ（静かな泊地）」にちなみ、古くからニシン漁で栄えた歴史を持ちます。山々と海が近接する地形の中で、村の人々は自然と共に暮らし、漁業・観光を中心に豊かな文化を育んできました。海産物の加工業も盛んで、ホタテやウニ、鮭、昆布など新鮮な海の幸が村の誇りです。村の祭りや伝統行事は、地元住民だけでなく訪れる観光客にも親しまれ、地域の絆を象徴しています。特に「泊まつり」では、豊漁と安全を祈願する神輿や太鼓が響き、村全体が活気に包まれます。自然・歴史・文化が調和するこの村は、訪れる人に「静けさと力強さ」を感じさせる場所です。
文化・風習
泊村は、アイヌ文化と漁業文化が共に息づく地域です。16世紀末にはニシン漁が盛んに行われ、かつて「鰊御殿とまり」と呼ばれる番屋が建ち並び、北海道の漁業史を語るうえで欠かせない土地となりました。現在もこの歴史を伝える文化財「鰊御殿とまり（旧川村家番屋）」が保存され、当時の漁村生活の様子を今に伝えています。 また、村の生活は自然との共生が基本にあり、海や山の恵みを活かした食文化が発展しています。北海道方言が日常で使われ、温かみのある人々の会話が村の日常風景を形づくっています。 年中行われる祭りの中でも「泊まつり」は特に有名で、地元の神社「泊稲荷神社」を中心に行われる伝統的な夏祭りです。さらに、地域ではアイヌ文化を尊重した文化講座や郷土学習が行われ、子どもたちに自然や歴史を学ばせる教育にも力を入れています。雪深い冬には、村を彩る「雪灯りイベント」も開催され、幻想的な光が人々の心を温めます。泊村は小さな村ながらも、過去と現在が調和した独特の文化が息づく場所です。
特産品
- 泊村産ウニ： 日本海の荒波で育ったエゾバフンウニは、濃厚な甘みとクリーミーな口当たりが特徴です。漁期は夏季限定で、新鮮なうちに味わう生ウニ丼が人気。
- 泊村産ホタテ： 盃湾で育つホタテは、身が厚くプリプリとした食感が魅力。地元の海産物直売所でも販売されています。
- 泊村昆布： 栄養豊富な海で育つ昆布は、旨味が強く、出汁や佃煮として重宝されています。
- 泊村鮭： 秋には多くの鮭が川を遡上し、地元では焼き鮭やイクラ丼として提供。旬の味覚を堪能できます。
- 泊村大根： 村の農家が育てる大根は、みずみずしく甘みがあり、漬物や煮物に最適です。
年間イベント
- 泊まつり（7月下旬）： 泊稲荷神社を中心に開催される夏の祭典。神輿や太鼓演奏、花火大会などが行われ、地元民と観光客が一体となって盛り上がります。
- 盃温泉まつり（8月中旬）： 盃温泉を舞台にしたイベントで、露天風呂と地元グルメを楽しめます。
- 秋の収穫感謝祭（9月下旬）： 村の特産物や新鮮な魚介類が並び、地元料理の試食販売も行われます。
- 雪灯りイベント（2月上旬）： 村内各所に雪の灯篭が並び、幻想的な冬の夜を演出します。
- 泊村ふるさとフェスティバル（通年）： 地元の特産物を使った料理が並ぶグルメイベント。季節ごとにテーマが変わり、村の味覚を満喫できます。
アクセス方法
- 飛行機： 最寄りの空港は 新千歳空港 または 丘珠空港。空港からはレンタカーで約3時間。
- 鉄道： 村内に鉄道路線はなく、最寄駅は JR小沢駅（共和町）。そこから車で約40分。
- バス： 岩内町・共和町・神恵内村を結ぶ「しおかぜライン」（岩宇地域海岸線バス）が利用可能。
- 車： 札幌市から国道229号経由で約2時間半。積丹半島を一周するドライブコースの中継地としても人気です。
観光スポット
- 鰊御殿とまり（旧川村家番屋） – 江戸後期から明治にかけてのニシン漁の繁栄を伝える貴重な建物。国の登録有形文化財。
- 盃温泉郷 – 山あいに湧く天然温泉で、日帰り入浴施設や宿泊旅館が並ぶ静かな癒しの地。
- 兜岬 – 日本海を一望できる岬で、夕日の絶景スポットとして知られています。
- とまりカブトラインパーク – 展望台や遊歩道が整備されたレクリエーション施設。家族連れに人気。
- 大川ノ滝 – 豊かな自然の中に流れる落差のある滝。写真撮影にもおすすめの景勝地。
- 原子力PRセンター・とまりん館 – 泊原発の仕組みやエネルギーについて学べる展示施設。
