| 人口 | 3,423人 |
|---|---|
| 面積 | 221.86 km² |
| 人口密度 | 15.4 人/km² |
北海道の南西部、渡島半島の中央部に位置する木古内町（きこないちょう）。青函トンネルの北海道側玄関口として知られ、津軽海峡に面したこの町は、アイヌ文化と明治期の開拓の歴史が息づく土地です。町の名は、アイヌ語の「リリオナイ（波・入れる・川）」に由来すると言われ、潮の干満が川を逆流させる様子から名づけられました。古くから交通の要衝として栄え、現在では北海道新幹線の停車駅・木古内駅を中心に、新幹線と在来線（道南いさりび鉄道）の結節点としても発展しています。
町の主要産業は農業と漁業で、酪農が盛んに行われ、質の高い生乳や乳製品が生産されています。また、津軽海峡で獲れる新鮮なホタテやスルメイカ、ウニなどの海産物も名物として知られています。地域では北海道方言が日常的に使われ、アイヌの伝統や自然との共生が生活の中に根づいています。
春には桜が咲き誇る「木古内さくらまつり」が開催され、冬には伝統行事「寒中みそぎ祭り」が行われます。みそぎ祭りは佐女川神社で行われる神事で、寒中の海で身を清める勇壮な儀式として全国的にも知られています。木古内町は、自然と文化、そして人々の温かさが調和した、道南の小さな魅力あふれる町です。
文化・風習
木古内町は、北海道南部でも特に歴史が古い地域の一つで、アイヌの人々が暮らした痕跡と、和人による開拓が交錯する文化が残ります。町の中心部にある「佐女川神社」は、江戸時代から信仰を集める古社で、毎年1月に開催される「寒中みそぎ祭り」では、若者たちが厳冬の津軽海峡の海水で身を清め、豊漁と無病息災を祈ります。この行事は町の重要文化財に指定され、地域の誇りとして受け継がれています。
また、春の「木古内さくらまつり」では、木古内川沿いに咲く桜並木が一斉に開花し、ライトアップや地元特産品の販売などが行われます。方言やアイヌ語の名残を大切にし、古来からの風習を守りながら、町民は自然とともに暮らしています。
木古内町は、海と山に囲まれた豊かな自然の中で、漁業・農業・酪農が調和した生活が営まれています。四季の移ろいを感じながら、自然と人とが共に生きる文化が息づく町です。
特産品
- 木古内牛乳： 木古内町周辺で搾乳された生乳を使用し、低温殺菌で風味を生かした新鮮な牛乳。町の酪農の象徴的な製品であり、地元産のチーズやヨーグルトにも活用されています。
- 木古内米（ななつぼし）： 冷涼な気候と清らかな水で育つお米。粘りと甘みのバランスが良く、道南地方を代表するブランド米として人気です。
- 木古内ワイン： 町内や隣接地域で栽培されたブドウを使用し、小規模生産ながら高品質なワインを醸造。海風のミネラルを感じる爽やかな味わいが特徴です。
- 津軽海峡ホタテ： 木古内港で水揚げされるホタテは肉厚で甘みがあり、刺身やバター焼きに最適です。
- 咸臨丸昆布： サラキ岬沖で採れる良質な昆布。明治初期の咸臨丸ゆかりの地にちなんで名づけられた特産品です。
年間イベント
-
寒中みそぎ祭り（1月）： 佐女川神社で開催される伝統行事。若者たちが海水を浴びて身を清める勇壮な神事で、全国から見物客が訪れます。
▶ 佐女川神社（Googleマップ） -
木古内さくらまつり（4月）： 木古内川沿いの桜並木が満開を迎え、屋台や地元グルメが楽しめる春の風物詩です。
▶ 木古内川（Googleマップ） -
咸臨丸まつり（8月）： サラキ岬で行われる、幕末の軍艦「咸臨丸」を偲ぶ祭り。乗組員の子孫らも参加し、太鼓演奏や花火大会が催されます。
▶ サラキ岬（Googleマップ） -
きこないイルミネーション（12月）： 木古内駅前を中心に町全体が光に包まれ、冬の夜を彩る幻想的なイベントです。
▶ 木古内駅（Googleマップ）
アクセス方法
-
鉄道： 北海道新幹線「木古内駅」下車（新函館北斗駅から約15分、東京駅から約4時間）。
▶ 木古内駅（Googleマップ） - 飛行機＋鉄道： 函館空港から函館駅へ（車で約20分）、函館駅より道南いさりび鉄道で約50分。
- 自動車： 函館市から国道228号経由で約1時間30分。札幌からは道央自動車道・函館江差自動車道を利用して約5時間。
- フェリー： 青森港から函館港へ（津軽海峡フェリー・約3時間40分）、その後車または鉄道で木古内町へ。
観光スポット
- 道の駅みそぎの郷 きこない – 木古内駅前に位置する観光拠点。地元特産品の販売や観光案内所、レストランが併設されています。
- 木古内町郷土資料館「いかりん館」 – 町の歴史や咸臨丸の資料を展示。木古内の開拓史やアイヌ文化を学べます。
- 佐女川神社 – 「寒中みそぎ祭り」の舞台となる神社。地元の信仰と伝統の中心地です。
- サラキ岬 – 咸臨丸終焉の地として知られる岬。海と花々の絶景が広がり、春にはチューリップが咲き誇ります。
- きこないビュウ温泉 のとや – 自然に囲まれた日帰り温泉施設。津軽海峡を望む絶景露天風呂が人気です。
